研究課題/領域番号 |
18206070
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
植松 敬三 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (00110726)
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研究分担者 |
田中 諭 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (20324006)
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キーワード | 粉体合成 / チタン酸ジルコニウム / チタン酸ストロンチウム / 焼結 / セラミックス / 磁場 / クエン酸法 / 結晶軸配向 |
研究概要 |
クエン酸法による易焼結性ナノ粒子の合成を検討し、本合成法の基本技術を確立するため、粉体特性と焼結性の関係が評価しやすいジルコン酸ストロンチウムおよびチタン酸ストロンチウムを取り上げ、種々の条件で粉体合成を行った。チタン酸ストロンチウムでは期待どおりナノサイズの粒子が得られた。その焼結では、市販粉体との比較において、同条件において容易に高密度が得られ、期待どおりナノ粒子では焼結性が優れることが明らかとなった。 等軸形状ナノ粒子の結晶軸配向制御を調べるため、強磁場中での常磁性(反磁性)-磁場相互作用によるナノ粒子の配向について、球形アルミナ粉体を用いてシミュレーションおよび実験的検討を行った。その結果、粒子配向の駆動力として磁気力、配向の阻害要因として熱エネルギーを考慮することにより定性的には実験結果と合致する結果が得られたが、粒子の配向度は実験結果がシミュレーションよりやや低くなった。この違いの要因の一つに粉体試料の不完全性が考えられるが、詳細については今後さらに検討を進める必要がある。 市販のナノジルコニア粒子を用いて焼結時の粒成長防止のための新しい2段階焼結法の検討を行った。第一段焼成において温度保持をせずに相対密度80%程度に緻密化させた試料では、第二段焼成として第一段での焼成温度より100℃程度低い温度での長時間焼成により緻密化が達成された。その際の粒成長は、通常の場合より少なく、ナノ粒子焼結体調製における2段階焼結法の有効性が確認された。 本年度は粉体特性の詳細検討と焼結体調製のため、多量の粉体を合成し、その焼結およびHIP処理による高密度化を中心に検討する。
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