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2006 年度 実績報告書

先端的固体酸測定法の開発と酸点発現機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18206082
研究機関鳥取大学

研究代表者

丹羽 幹  鳥取大学, 工学部, 教授 (10023334)

研究分担者 片田 直伸  鳥取大学, 工学部, 助教授 (00243379)
奥村 和  鳥取大学, 工学部, 助手 (30294341)
キーワード昇温脱離法 / ブレーンステッド酸性質 / ゼオライト / 金属酸化物 / トルエン吸着
研究概要

今年度は,アンモニアのIRMS-TPD法によるYゼオライトのブレーンステッド酸点に関する研究を詳しく行なった.これは,Yゼオライトが,工業触媒としてもっとも良く利用されているゼオライトであり,またTサイトとよばれるSiまたはAlカチオンの位置するサイトの構造が一種類しかないという単純な構造の特徴があるためである.一つのTサイトは正四面体の真ん中にあり,その周りに4種のOHが位置するため,結局4種のブレーンステッド酸OHが存在し得る.これらを別々に測定し,その酸量と酸強度を決定することにより,ブレーンステッド酸点の発現とその性質に関する基礎的な理解を得ることができると考えられる.また,同時に触媒活性との相関性についても,有用な情報が得られるはずである.
このような観点でおこなった研究では,HYゼオライトに4種のブレーンステッド酸性OHを検出し,その酸量と酸強度の決定を行なうことができた.結論的には,そのうち一つはYゼオライトの狭い細孔内に位置しており,正確には酸性質を示していないこと,また構造的には可能性のある一つのOHの同定にはあいまいさが残ることがわかった.
また,USYと呼ばれる工業的に利用されている高活性Yゼオライト触媒には,通常存在しない強い酸性質をもつブレーンステッド酸OHがあり,これが触媒活性の要因であると結論した.
また,トルエンの吸着に関する非常に興味深い事実を見出した.これは,トルエンがNaカチオン上で強く吸着し,その強度はゼオライトの構造に依存し,強度の序列は酸強度のそれとまったく同じであることがわかった.カチオン性がゼオライトの構造に依存することをサポートする実験結果として興味深い.
今後は,さらにさまざまなゼオライトにこの方法を応用し,ブレーンステッド酸点の発現とその性質に関する詳細な研究を展開する.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Detection and Quantitative Measurements of Four Kinds of OH in HY Zeolite2007

    • 著者名/発表者名
      K.Suzuki, N.Katada, M.Niwa
    • 雑誌名

      Journal of Physical Chemistry, C 111

      ページ: 894-900

  • [雑誌論文] Analysis of Toluene Adsorption on Na-form Zeolite Using Temperature-Programmed Desorption Method2007

    • 著者名/発表者名
      R.Yoshimoto, K.Hara, K.Okumura, N.Katada, M.Niwa
    • 雑誌名

      Journal of Physical Chemistry, C 111

      ページ: 1474-1479

  • [雑誌論文] Identification and Measurements of Strong Bronsted Acid Site in Ultra-Stable Y (USY) Zeolite2006

    • 著者名/発表者名
      M.Niwa, K.Suzuki, K.Isamoto, N.Katada
    • 雑誌名

      Journal of Physical Chemistry, B 110

      ページ: 264-269

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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