研究課題/領域番号 |
18206084
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
松永 是 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 理事 (10134834)
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研究分担者 |
新垣 篤史 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 助教 (10367154)
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キーワード | 磁性細菌 / Desulfovibrio magneticus RS-1 / プロテオーム解析 / nano-LC-MS / MS / バイオマグネタイト / 結晶形態制御 |
研究概要 |
これまでの研究において、磁性細菌から同定された結晶形成コアタンパク質を用いたマグネタイト結晶形態制御法を確立し、cubo-octahedron型のマグネタイト結晶合成に成功している。 平成19年度はDesulfovibrio magneticus RS-1における結晶形成コアタンパク質を用いたマグネタイト結晶の新規形態制御法の開発を目的とし、研究を行った。結晶形成コアタンパク質の同定に向け、RS-1株のバイオマグネタイトのプロテオーム解析を実施した。その際に、近年多く用いられているnano-LC-MS/MSシステムを導入する事でこれまで微量にしか存在しない為、同定不可能であったバイオマグネタイト膜タンパク質群の同定に成功した。その結果、計176個のタンパク質がRS-1株のバイオマグネタイト上から同定された。これらの遺伝子解析から、ゲノム上に存在するバイオマグネタイト生成関連遺伝子クラスターとは別に、RS-1株の有するプラスミド上のバイオマグネタイト生成関連遺伝子クラスターの存在が明らかになった。新たに発見されたプラスミド上の遺伝子群の中には他の磁性細菌の遺伝子に相同性を示す遺伝子が集中しており、その中からこれまで同定されていない新規バイオマグネタイト合成関連遺伝子が同定された。また、そこから結晶形成コアと成りうる構造を持ったタンパク質が同定された。特に結晶と相互作用すると思われるC末端部位のペプチド配列を用いてマグネタイト結晶合成を行った結果、形態の制御された数ナノメートルオーダーのマグネタイトナノ結晶の生成が確認された。本研究により同定された結晶形成コアタンパク質群を応用することで多様な形態の結晶合成が可能となる事が期待される。
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