大気を高速で飛行する飛行体周りの弱電離気体を気体の周囲に配置する強磁場で制御することにより、同飛行体の開発において課題となる空力加熱の低減と気体への抗力増大効果を確認することを目的として、理論的、実験的研究を進めた。理論的には、従来の実験法である弱電離プラズマ流を用いた手法の限界を示した。具体的には、ホール効果が卓越した流れの場合に、予め弱電離した流れでは、磁気シールド効果が減退するが、逆に高エンタルピー流れで、衝撃層のみが電離した場合には、減退しない。この知見に基づき、より飛行環境に近い実験方法の提言を行ない、これに基づき、膨張波管を用いた実験を行った。その結果、磁場との相互作用による衝撃層領域の拡大を確認することに成功している。 この技術の大気再突入飛行体への応用を目指し、飛行実証するための検討を行なった。SS520観測ロケットをベースにした飛行において同技術の実証が可能であることを示した。
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