研究概要 |
使用済み農業用ポリエチレンシート(農ポリ)を約6トン、FRP破材を約1トン入手した。使用済み農業用ポリエチレンシートをバインダーとしてFRP粉体を固化する「FRPリサイクル製品製造装置」を製作した。FRP廃船から取得したFRP破材を、平成18年度製作した「FRP破材粉体化処理装置」を用いて粉体化し、「FRPリサイクル製品製造装置」を用いてリサイクル製品を試作した。試作したリサイクル製品は、FRPが10wt%含まれている。単純計算では、FRP粉体を10wt%にすればリサイクル製品の塩素濃度はほぼ1,000ppm以下、発熱量は約5,000kcal/kg以上あり、セメント焼成に十分な発熱量を有していると考えられる。現在、成分分析を行い、セメント焼成に可能かどうか検討している。 「FRPリサイクル製品製造装置」は、3mm以下、5mm以下、及び10mm以下に粉体化したFRP粉体(50wt%以下)と使用済み農業用ポリエチレンシートを混合し、固化物にすることができる。また、FRP粉体に水分が約10%以下含まれていても処理が可能であり、処理能力は、約80kg/hであることが分かった。 平成18年度製作した「FRP破材粉体化処理装置」を用いて、農ポリの粉砕に利用しようと試みたが、本装置の能力では、少量処理するには問題が無いが、大量・高速処理は難しいことが分かった。事業化するには、大型の粉砕機が必要である。 使用済み農業用ポリエチレンシートには、砂や植物が付着しており、水力あるいは風力による洗浄が必要と考えられ、検討中である。また、FRP造船所の聞き取り調査を行ったが、現状では、セメント焼成によるリサイクル処理は埋め立て処理と比較して処理費が高額になるという認識があり、埋め立て処理を行っているとの情報を得た。
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