研究課題
【目的】Pu同位体が放射するLX線を作業員の体外から計測することで、Pu吸入摂取量を推定し内部被曝線量を評価するためには、Puなどの超ウラン元素のLX線放射率を高い精度で評価する必要がある。そこで、エネルギーが10keVから20keVのLX線光子を半値幅50eV以下のエネルギー分解能で計測できるTES型マイクロカロリーメーターの設計・作製を行うとともに、液体ヘリウムを使わず簡便な操作でTES型マイクロカロリーメーターの高性能動作を可能とする計測システムを構築する。次に、シンクロトロン放射光を利用して10keVから20keVのエネルギー領域における単色光子に対するTES型マイクロカロリーメーターの応答特性を精密に測定する。このようにして構築したTES型マイクロカロリーメーターシステムを用いて、〈241〉^Am線源やPu同位体から放射されるLX線を半値幅50eV以下のエネルギー分解能で分光分析を行い、超ウラン元素のLX線放射率を高い信頼性で評価できることを実証する。【平成20年度の実績】冷凍機外部から種々の超ウラン元素から放射されるLX線をTES型マイクロカロリーメーターに照射するとことが可能となるように、無冷媒希釈冷凍機の混合器部に特殊な入射窓を取り付けた。冷凍機外部に〈241〉^Am線源を置き、線源から放射されるLX線をTES型マイクロカロリーメーターで測定することで、フィルター処理がなされていない検出信号パルスの波高分布において、エネルギー分解能が半値幅で〈140〉^eVと向上した。GMクーラー分離型無冷媒希釈冷凍機の冷凍機循環ガスラインに、水素ガスゲッターシステムを挿入することにより、冷凍機の長時間安定運転が可能となり、〈241〉^Am線源から放射されるLX線をTES型マイクロカロリーメーターにより30日間の長時間にわたり安定に連続測定した。
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