本研究では「表面制御金属ナノ粒子による局所的電場増強を利用した色素増感太陽電池」を提案する。金属ナノ粒子を表面修飾し、かつチタニア表面に結合させることで、金属ナノ粒子の局所電場増強効果による光吸収係数の増大を最大限に生かし、色素増感太陽電池の高効率化を目的とする。また、表面修飾によって金属ナノ粒子をコート、かつチタニア-色素-金属ナノ粒子の位置をナノメートルオーダーで制御する。そのなかで表面修飾の種類と効率低下をもたらす逆電子移動過程との関係、および表面修飾と局所電場増強効果による吸光度増大率との関係を調べる。 19年度研究実績の概要を下記に示す。 1.局所電場増強効果に適した表面修飾を選定したTwo-phase arres ted growth法を用いて実際に作成した。さらに、作成したナノ粒子の表面修飾物を置換することで、粒径が同じて表面修飾物のみ異なるナノ粒子の合成に成功した。 2.1で作製した異なる表面修飾物Agナノ粒子を使って「表面制御金属ナノ粒子による局所的電場増強を利用した色素増感太陽電池」を作製したところ、効率の向上に成功した。また、その効率は表面修飾物の直鎖の長さおよび末端の官能基に依存することが分かった。さらに、効率を決定している要因について検討した。
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