研究概要 |
マイクロ流路の最適化として、新規の流路形状に関してCFDによる計算を行い、既存のエコキュートとの比較検討を行った。熱交換器の水側流路にはS字フィン型流路を用い、S字フィンの大きさを炭酸ガス-水の給湯器用に再設計した流路形状を用いた。炭酸ガス側の圧力損失を低減するために、流路形状を変更し、流路の深さを0.94mmとし、フィン長さを4.8mm、形状全体の幅を67.98mm流路部分全体の幅を約58mmとして計算を行った。運転条件は運転圧力(炭酸ガス側:9.2MPa,水側:市水圧)、入り口温度(炭酸ガス側:88度,水側:9度)、出口温度(炭酸ガス側:12.3度,水側:65度)、流量(炭酸ガス側:61.0kg/h,水側:69.0kg/h)、圧力損失(炭酸ガス側:150MPa,水側:16MPa、交換熱量(炭酸ガス側:4.5kW(放熱85W),水側:4.5kW)とて計算した結果、入口温度から炭酸ガス側と水側の温度差を総括伝熱係数に対して、量子化することによって必要伝熱面積を求めた。その結果、設計された流路形状に対して既存のものより熱交換器のサイズは約41%の大きさとなり、圧力損失は炭酸ガス側で現行の熱交換器の約60%、水側は約30%となることが示され、新規流路形状の有効性を実証することができた。沸騰/凝縮二相流間伝熱流動モデルの構築として、流路がS字型フィンから構成された新型マイクロチャンネル熱交換器(MCHE)の流体解析を行った。フィンの先端が円く、流路断面が矩形と半円の新型MCHEのFLUENT用メッシュ分割データを作成しその流体解析を行うことによって両者を比較評価した。その結果半円の新型MCHEはフィンの先端が鋭い矩形のメッシュに比べメッシュ数が約4.6倍必要となり、矩型と半円型のNusselt数を比較し、ケースの形状による熱伝達率の違いを確認した。
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