研究課題
基盤研究(A)
昆虫のテロメア反復配列やリボソームDNAにだけ転移するLINEのin vivo転移系を用いて、これまで解析の困難だったLINEの転移に必須な領域を枚挙し、部位特異的転移メカニズムを探ることが可能となった。本申請では、枚挙した機能未知の転移必須領域がどのような機能を果たしているかを完全に解明し、LINEのTPRT (target primed reverse transcription)メカニズムの全体像を明確にすることを目指す。さらに、L1など多くのLINEがゲノム上にランダムに転移するのに対し、ほぼ同様の構造を持つ昆虫のLINEがなぜ特定のゲノム配列だけに転移できるのかを解明する。これらの目的を達成するために、申請期間内に(1)ORF1内部にある4箇所の転移必須領域の機能の解明(2)ORF1C末にある3個のZnフィンガーの想定機能(RNA結合・核酸シャペロン機能)の解明(3)ORF1とORF2の間にある翻訳制御領域の機能ドメイン構造の詳細(4)5-UTR領域の多数のAUG配列が翻訳開始制御に働くメカニズム(5)TPRT開始時にmRNAの3-UTR領域と相互作用するタンパク質領域の同定(6)in vitro転移システムの完成とRNP構造の解明、を重点的に目指す。これらの解明は、「LINEの翻訳、RNP構造の形成、核移行と標的DNAへのアクセス、TPRTの開始」という未知のLINE特有な機構の解明につながる。
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