研究概要 |
コミカンソウ-ハナホソガ絶対送粉共生系は,きわめて種特異性の高い送粉者によって植物の送粉が行なわれるという類い稀な例である.種特異性の高いホソガがどのように植物の遺伝子流動を制御し,種分化を促進しているかについて、ホソガのこれらの匂いの反応と誘引効果,送粉・産卵行動の誘導などの分析を通して解析する.また,植物と送粉者のそれぞれの系統樹の分岐関係を比較することによって,両者の種分化が並行的に進行したかどうか、共生関係から寄生関係への転換がもしあるとしたらどのような条件下で起こるのかを、解析する。 また,植物と送粉者のそれぞれの系統樹の分岐関係を比較することによって,両者の種分化が並行的に進行したかどうか、共生関係から寄生関係への転換がもしあるとしたらどのような条件下で起こるのかを、解析する。 一方,コミカンソウ科には,送粉をする胚珠寄生性のホソガとは別に,系統的に近縁な潜葉性のホソガが見られる.送粉者と植食者それぞれの系統樹を作成し、両者の種分化様式を,寄主植物の多様化様式と比較しあうことによって,共生と寄生という種間関係の違いがもたらす進化的影響を浮き彫りにする.
|