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2006 年度 実績報告書

膜超分子べん毛モーターの構造と構築機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18207011
研究機関名古屋大学

研究代表者

本間 道夫  名古屋大学, 大学院理学研究科, 教授 (50209342)

研究分担者 小嶋 誠司  名古屋大学, 大学院理学研究科, 助手 (70420362)
キーワードべん毛 / エネルギー変換 / メンブレン / ナノバイオ / 分子モーター
研究概要

Vibrio alginolyticusの極べん毛は、ナトリウムイオンの共役による電気化学ポテンシャル差をエネルギーにして回転する。べん毛モーターの回転に必要なタンパク質としてPomA, PomB, MotX, MotYが同定されており、このうちPomA, PomBは内膜でナトリウムイオンチャンネルとして機能していると考えられている。MotX, MotYはそれらを一つでも欠損した菌は遊泳能を失うが、その機能の詳細は分かっていない。機能的なモーターを単離する目的で、Vibrio alginolyticusの基部体を精製し、確認のため電子顕微鏡による観察を行ったところ、これまで大腸菌などには存在しない、基部体リングから突出した爪状の新しい構造を作ることを見いだした。これをT-ringと命名した。T-ringはペプチドグリカン層に埋まっているP-ringと内膜に存在するMS-ringとの間に存在することが分かった。さらに、この構造が、ナトリウムモーターに特異的なMotXとMotYから構成されることを明らかにした。これら2つのタンパク質に関して、大量精製を行い、結晶構造解析を行っていたが、MotYについては、2.9Å分解能でX線結晶構造を得ることが出来た。MotYは大きく2つのドメインに(N,C末ドメイン)分別された。N末ドメインの構造は10個のβ-strandと2個のα-helixからなり、新規のfoldであった。また、生化学実験からMotXと相互作用をするドメインであることが示唆された。ペプチドグリカン結合モチーフを持つC末ドメインの構造は、ペプチドグリカン結合タンパク質であるPalやRmpMに非常によく似ていた.Palとペプチドグリカンが相互作用する重要な残基がNMRによる構造解析から見いだされており、MotYにも保存されていることからMotYとペプチドグリカンの相互作用部位を推測することができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] Crystallization and preliminary X-ray analysis of MotY, a stator component of the Vibrio alginolyticus polar flagella motor2007

    • 著者名/発表者名
      Shinohara, A., Sakuma, M., Yakushi, T., Kojima, S., Namba, K., Homma, M., Imada, K.
    • 雑誌名

      Acta. Cryst 63(2)

      ページ: 89-92

  • [雑誌論文] Roles of charged residues of rotor and stator in flagellar rotation : Comparative study using H^+-driven and N^+-driven motors in Escherichia coli2006

    • 著者名/発表者名
      Yakushi, T., Yang, J.-H., Fukuoka, H., Homma, M., Blair D.
    • 雑誌名

      J. Bacteriol 188

      ページ: 1466-1472

  • [雑誌論文] The Vibrio motor proteins, MotX and MotY, are associated with the basal body of Na^+-driven flagella and required for stator formation2006

    • 著者名/発表者名
      Terashima, H., Fukuoka, H., Yakushi, T., Kojima, S., Homma, M.
    • 雑誌名

      Mol. Micro 62(4)

      ページ: 1170-1180

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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