研究概要 |
1.根粒着生制御遺伝子Nts1とホモロジーの高いGmCLV1Aを含む約250kbのコンティグの塩基配列を解読して27の遺伝子を見出した。Nts1領域と比較するとシンテニーがあるが、遺伝子の向きは逆であった。 2.フィトクロームA遺伝子GmphyA1を含む約239kbのコンティグの塩基配列を解読して12の遺伝子と5つのトランスポゾンを見出した。GmphyA1のパラログであるGmphyA2遺伝子を含む約194kbのBACクローン塩基配列には16の遺伝子と6つのトランスポゾンがあり、遺伝子密度は低いがGmphyA1を含む領域とシンテニーがあった。 3.開花期関連遺伝子FT1の存在領域を絞り込むため、FT1座だけが分離する集団の13,500個体から両端のDNAマーカー間で組換えを起こした11系統をスクリーニングした。これらの組換え系統の開花期、熟期の調査と15のDNAマーカーを用いた遺伝子型の解析を行った。その結果FT1座は17kbの領域に絞り込まれ、そこにひとつの候補遺伝子を見出した。 4.7Sグロブリン欠失性遺伝子座Scg-1の領域には、2つのαサブユニット遺伝子、1つのβサブユニット遺伝子、偽遺伝子化した1つのαサブユニット遺伝子が見いだされた。これらのうち2つのαサブユニット遺伝子は逆向き反復配列となっていた。野生型ではこの2つの配列の終始コドン間は3.9kbあったが、欠失性系統では0.8kbに短縮されていた。そのため遺伝子が転写されるときにリードスルーが起こり、ヘアピン構造による転写後発現抑制が生じることが予想された。
|