研究課題/領域番号 |
18208003
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
弦間 洋 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 教授 (70094406)
|
研究分担者 |
菅谷 純子 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 講師 (90302372)
瀬古澤 由彦 筑波大学, 大学院生命環境科学研究科, 助手 (90361310)
吉田 充 農業, 食品産業技術総合研究機構・食品総合研究所・食品分析研究領域, 状態分析ユニット長 (60353992)
堀金 明美 農業, 食品産業技術総合研究機構・食品総合研究所・食品分析研究領域, 特別研究員 (40414495)
山口 正己 農業, 食品産業技術総合研究機構・果樹研究所・ナシ・クリ・核果類研究チーム, 上席研究員 (80355370)
|
キーワード | 環境 / 気候変動 / 気候変動 / 休眠生理 / 果樹 / MRI / レドックス / 水チャネル |
研究概要 |
低温要求量の異なるモモ品種‘勘助白桃'(1010CU)と‘コーラル'(300CU)の休眠芽を用い、その休眠段階ごとに形態変化をMRI(磁気共鳴イメージング)画像解析と、休眠芽中の水の動態についてスピン-スピン緩和時間(T_2),さらには水の自己拡散の速さを示すみかけの拡散係数(ADC)を測定した。その結果、休眠芽の基部、茎頂部、鱗片部等の部位におけるT_2値は休眠段階により変化した。50%休眠打破時期は、それぞれの品種で1月下旬、12月上旬であったが、その時期には芽内の水分含量に関係する水の^1H密度(フォトンデンシティ)の増加が、休眠芽基部で認められた。ADC値は休眠期を通して基部で最も高く推移し、自発休眠打破後に徐々に増加した。他発休眠期で萌芽の1か月前から急速に増加した。水チャネル遺伝子は、PpδTIPの発現が‘勘助白桃'では休眠芽基部においては自発休眠打破時期から、上部においては萌芽の1か月前に増加しており、ADCの変化と一致した。一方、ニホンナシ‘幸水'休眠芽における呼吸活性を計測したところ、休眠最深期である11月下旬には、自発休眠打破後の1月下旬と比べ、明らかに活性量が低位であるが、シアン耐性呼吸末端酸化酵素(AOX)を指標とした、本呼吸経路も高い活性量で存在することが明らかとなり、休眠芽の枝上の位置、すなわち頂芽は打破し易く、基部の側芽は休眠が深い(打破し難い)こととAOX遺伝子の発現パターンが自発休眠打破期(12月下旬)に頂芽>中間部の側芽>基部の側芽の順に強いことを考えると、自発休眠打破がAOXによって制御されていると推察した。 台木の穂品種の生育に及ぼす影響を明らかにするために、低温要求性の低い‘オキナワ'、中程度の‘ティムピータオ'および高い低温要求性を有する‘チュイルンタオ'の3種の台木と低温要求性の異なる穂品種を組み合わせた3年生モモ樹について、開花期、発芽期、樹の生育等の差異を検討した。この結果、開花期等に及ぼす台木の低温要求性の差異は軽微であると推定された。
|