研究分担者 |
片岡 道彦 京都大学, 農学研究科, 准教授 (90252494)
小川 順 京都大学, 農学研究科, 助教 (70281102)
櫻谷 英治 京都大学, 農学研究科, 助教 (10362427)
萩下 大郎 京都大学, 農学研究科, 准教授 (20432346)
岸野 重信 京都大学, 農学研究科, 助教 (40432348)
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研究概要 |
(1)共役高度不飽和脂肪酸生産に有用な微生物反応の探索を行った。Clostridium bifermentansがアラキドン酸やエイコサペンタエン酸(EPA)といった炭素数20の高度不飽和脂肪酸を飽和化することを見いだした。アラキドン酸、EPAの飽和化産物はそれぞれcis-5, cis-8, trans-13-20:3ならびにcis-5, cis-8, trans-13,cis-17-20:4であった。EPAを基質とする嫌気的反応について本菌の無細胞抽出液を用いた検討を行った結果、飽和化産物とともに二つの未知脂肪酸の生成を確認した。これらを単離・精製し構造解析を行った結果、cis-5, cis-8, cis-11, trans-13, cis-17-20:5ならびにcis-5, cis-8, trans-11, trans-13, cis-17-20:5と同定した。これらの共役脂肪酸はEPAを飽和化する際の反応中間体であると推測された。 (2)ステロール生産性Mortierella属糸状菌の形質転換系の構築とステロール高生産変異株の探索を行った。Mortierella alpina FA113株は天然では希少なデスモステロールを多く蓄積することを見出している。デスモステロール高生産を目指し、パーティクルガン法を用いてウラシル要求性を指標とした形質転換系を構築した。さらに、ニトロソグアニジンによる変異処理により、本菌からステロール高生産株を2株単離することができた。ひとつは、総ステロール量が親株の1.5倍向上した変異株であり、もう一方は総ステロールに占めるデスモステロールの割合が70%以上に達する変異株であった。
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