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2006 年度 実績報告書

βアミロイドの新しい凝集モデルに基づいた抗体および凝集阻害剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18208011
研究機関京都大学

研究代表者

入江 一浩  京都大学, 農学研究科, 助教授 (00168535)

研究分担者 竹越 清乃理  京都大学, 理学研究科, 教授 (10206964)
清水 孝彦  (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究員 (40301791)
キーワードアルツハイマー / ESR / Aβ42 / 凝集 / 固体NMR / スピンラベル / DARR / βシート
研究概要

アルツハイマー病因ペプチドであるβアミロイド(Aβ42)は,凝集することによって神経細胞毒性を示す.本研究代表者らは最近,Aβ42が22位付近でターン構造を形成すると,凝集能および神経細胞毒性が増大することを見いだした.Aβ42凝集体における本ターン構造の存在を検証するため,21〜27位の立体構造を固体NMRで解析した.21〜27位を^<13>Cで部位特異的に複数のパターンで標識したAβ42の凝集体を調製し,DARR法およびR2法によって^<13>C-^<13>Cの核間距離を測定した.その結果,Aβ42凝集体は21〜27位の間でゆるやかに曲がっていることが示唆され,明確な22位でのターン構造は検出されなかった.Aβ42では,Glu-32とAsp-23の側鎖同士の静電的反発により22位付近でのターン構造を形成しにくいものと推定される.
22位付近でのターン形成が,凝集能および神経細胞毒性を高める理由の一つとして,金属イオン存在下で生じた10位チロシン残基(Tyr-10)のフェノキシラジカルと35位メチオニン残基(Met-35)が空間的に近づき,メチオニンのカチオンラジカル生成を促進することが挙げられる.本仮説を実証するため,Tyr-10およびMet-35の空間的な距離を,電子スピン共鳴法(ESR)により測定した.Aβ42の10,35位の両方をシステイン残基で置換し,S-S結合を介してスピンラベル(MTSSL)を導入した.10,35位ともにラベルしたAβ42のESRを測定したところ,ニトロキシドラジカルを示す3重線に加えて,2つの電子スピン間の双極子相互作用を示す特徴的な2重線が観測された.対照として,片方ずつラベルしたAβ42ではこのようなピークは検出されなかった.これより,本双極子相互作用は,分子内の2つの電子スピンによるものであり,両残基は15Å以下の距離にあることが示唆された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] The toxic conformation of the 42-residue amyloid β peptide and its relevance to oxidative stress in Alzheimer's disease2007

    • 著者名/発表者名
      Kazuhiro Irie
    • 雑誌名

      Mini-Reviews in Medicinal Chemistry (in press)

  • [雑誌論文] Malignant' conformation of Alzheimer's β peptides (Aβ42) through radical formation2006

    • 著者名/発表者名
      Kazuma Murakami
    • 雑誌名

      Peptide Science 2006 (H. Ishida and H. Mihara Eds.)

      ページ: 19-20

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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