研究概要 |
本研究の目的は,(1)侵入生物の定着や定着後の形質変化に及ぼす種間交雑の影響および(2)線虫- 媒介昆虫-樹木の系と線虫個体群の遺伝的構造の関係を解明することである。そのために,マツノザイセンチュウ(以後ザイセンと略)と近縁在来種ニセマツノザイセンチュウ(以後ニセマツと略)の種間交雑に及ぼす環境の影響,雑種個体群の遺伝的構造の時間的変化,雑種個体群の増殖率,病原力,低温耐性および媒介昆虫との相互関係(侵入と離脱の能力)を親個体群と比較する。野外における枯死木内と媒介昆虫内のザイセンの遺伝的構造の関係および病原力の関係を明らかにする。雑種個体の存在を全国各地で調べる。クワノザイセンチュウの遺伝的マーカーを作成し,その線虫の媒介昆虫3種の個体群動態と線虫個体群の遺伝的構造を明らかにする。
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