研究課題/領域番号 |
18208016
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林産科学・木質工学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
福島 和彦 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (80222256)
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研究分担者 |
今井 貴規 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (20252281)
松下 泰幸 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 准教授 (60335015)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2008
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キーワード | 樹木 / 細胞壁 / リグニン / 同位体 / 質量分析 |
研究概要 |
リグニン形成の制御機構を前駆物質の貯蔵と輸送という動的な観点から捉え、モノリグノールの貯蔵と供給機構に着目し、細胞レベルで解明することを目的とした。安定同位体トレーサー法によるリグニン生合成中間物質の選択的な標識と飛行時間型二次イオン顕微質量分析(ToF-SIMS)による分子マッピングを組み合わせて、分子レベルの情報と組織レベルの情報を同時に入手することができるのが本研究の特徴である。 (ToF-SIMS)による分子マッピングを組み合わせて、分子レベルの情報と組織レベルの情報を同時に入手することができるのが本研究の特徴である まず、細胞レベルでの細胞壁成分の顕微レベルでの分子マッピングを可能にするための技術開発を行った。樹木木部細胞壁におけるシリンギル、グアイアシルリグニンのマッピング手法を確立するため、カエデを用いて、飛行時間型二次イオン質量分析を行った。その結果、シリンギルリグニンとグアイアシルリグニンの細胞壁中での分布を正確に可視化する手法を開発した。化学分解法や組織化学的手法とデータを比較検討することにより、本法の妥当性を証明するとともに、顕微領域における定量分析も可能とした。心材成分の樹幹内での分布も細胞レベルで可視化することに成功した。このことは、リグニン生合成中間体である低分子フェノール性化合物の選択的なマッピングにも適用できることを示した。 次に、リグニン生合成代謝中間物質の細胞内分布を明らかにするため、モノリグノールグルコシドのToF-SIMS を用いた解析法を確立した。LC-MS とToF-SIMS 分析を組み合わせることにより、配糖体の定性・定量分析を行った。また、特定の位置を13C で標識した前駆物質(コニフェリン)を合成し、イチョウ切り枝に投与した。一定期間代謝させた後、新生木部を採取し、標識前駆物質からリグニンへの取り込みを解析した。
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