研究概要 |
平成20年度の主要研究成果は,大きく次の2つに分類できる。 第1の研究成果は,平成20年度の日本農業経営学会の大会シンポジウムにおいて,我々が実施してきた主要研究成果のひとつが取り上げられ「ナレッジマネジメントによる農業経営の革新と組織化」という統一テーマで議論が行われた。この大会企画は研究代表者である門間が行い,分担研究者である堀田が座長を務め,伊藤が招待講演を行った。また,このシンポジウムでは我々が研究対象とした2つの研究事例((有)新福青果と東京都農業体験農園)が取り上げられ,経営者による報告が行われた。このシンポジウムによって,我々研究グループの研究成果が広く日本農業経営学会会員の間に普及した。 第2の研究成果は,我々の研究成果を高く評価した実践総合農学会が「ネットワーク型農業経営組織」に関する特集を企画し,主要論文を査読の上,掲載してくれたことである。この特集論文に掲載した主要研究成果は.次の通りである。 フランチャイズ型農業経営組織を,さらに包括的な概念であるネットワーク型農業経営組織として把握し,その組織の構造と活動の特性を統一的に評価するために,組織間関係論と取引費用アプローチに基づく分析枠組みを整理した。さらに,研究グループで共同調査した6つのタイプのネットワーク型農業経営組織の総合的な評価を行い,提案した分析枠組みの有効性を検証し次の成果を得た。組織間関係の特徴把握に関しては,分析対象とする組織の活動を支えるインプット組織と,組織の活動成果の主たる受け手となるアウトプット組織の影響関係を分析する組織セットアプローチが,また中心組織と参加組織の関係を規定する資源の依存関係や,中心組織と参加組織のパワー関係を分析する資源依存アプローチが有効である。
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