研究概要 |
施設園芸生産において過剰昇温の抑制を目的とした施設冷房が注目され, その効果が期待され続けてきた.しかし, 過剰昇温がとくに問題となりうる西南暖地において施設園芸への冷却技術の普及は進んでいない.本研究では,施設園芸における冷却技術の普及を阻む原因が, 冷却技術を導入したときの温度効果を定量的に評価する手法や, 冷却がもたらす植物生育, 収量および収穫物の品質への影響について, 生産現場に十分な理解が得られていないことにあるとの観点から, 園芸施設において冷却システムを稼動させた際の温度低下を厳密に計測して定量的に評価すること, さらに, その温度低下に対する植物の反応を生理的過程,物質生産, 生長, 収穫物の収量と品質, 収穫後の貯蔵性など様々な面から解析し, 冷却がもたらす生産性向上効果について評価することを目的としている.そのため, 高度な温度環境計測法の開発・装置化を試みるとともに,環境制御施設, 模擬実験温室および実際の生産現場において施設冷房・冷却を導入した場合の環境観測および植物生体計測を実施する.
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