研究課題/領域番号 |
18208027
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
片山 義博 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (10214339)
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研究分担者 |
重原 淳孝 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (60170867)
政井 英司 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (20272867)
中村 雅哉 森林総合研究所, きのこ微生物研究領域, チーム長 (50353793)
大原 誠資 森林総合研究所, バイオマス化学研究領域, 領域長 (20353617)
梶田 真也 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (40323753)
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キーワード | 植物バイオマス / リグニン / タンニン / 微生物 / 遺伝子工学 / バイオリアクター / 機能性有機材料 / バイオプラスチックス |
研究概要 |
1。本研究の目的は、生命科学と有機材料科学を基盤に、リグニンやタンニンなど複雑な化学構造を持つ植物バイオマス成分から、高付加価値を持つ新規高分子材料を生産するバイオマス利用技術を確立する事である。そのためには、複雑な植物バイオマス成分を一旦特定の「中間物質」に高収率で変換し、その中間物質の物理化学特性に基づいて高分子材料を設計・合成して用途開発する必要がある。 2。本研究実施期間において、微生物の多様な代謝機能を遺伝子工学を用いて設計・集積した新しいバイオリアクターを開発し、リグニンやタンニンから中間物質2H-pyran2-one-4,6dicarboxylic acid(PDC)に高収率変換し、得られたPDCを原料に新しい機能性高分子材料を設計・合成して新しい用途開発を行う事を目的として課題に取り組む。 3。平成19年度の研究成果は、(1)植物バイオマスの成分分離技術:バイオマス資源の前処理技術としてエアジェットミルによる微粉末化の有効性を評価した。また「蒸煮爆砕法」は、茶殻だけでなく樹皮からのタンニンの分離法として有効である。(2)PDC生産のバイオリアクターと生産制御:製紙工場からのリグノスルホン酸をアルカリ分解して得られる低分子化物の特性を明らかにし、それを原料にPDCを生産する技術課題を明らかにした。稲わらの温和なアルカリ処理で得られる桂皮酸類から直接PDCを生産するバイオリアクターを構築した。(3)PDCからの新しい有機材料開発:PDCとエチレングリコールからのPDCジオール合成に成功した。PDC・PDCジオール・BHT三元共重合によりポリエステルが得られ、金属材料接着剤として破断接着強度約50〜60MPaまで高めることができた。(4)石油系原料、テレフタル酸からのPDC生産リアクター開発:10リッター発酵槽を用いてテレフタル酸から高い収率でPDC生産に成功した。
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