研究課題/領域番号 |
18208028
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
縄田 栄治 京都大学, 農学研究科, 助教授 (30144348)
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研究分担者 |
間藤 徹 京都大学, 農学研究科, 教授 (50157393)
赤松 美紀 京都大学, 農学研究科, 助教授 (70183134)
河野 泰之 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (80183804)
舟川 晋也 京都大学, 農学研究科, 助教授 (20244577)
矢内 純太 京都府立大学, 農学研究科, 助教授 (00273491)
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キーワード | 東南アジア大陸部 / 集約化 / 作付体系 / 持続性 / 農業環境 / 農薬 / 気候変化 / 畑作 |
研究概要 |
今年度は、主としてタイとベトナムにおいて研究を進めた。タイでは、中部において、作付体系の多様性に関する現地調査を行い、一部で作付体系の単純化が見られるものの、土地利用および作付体系の多様性が、地域レベルで維持されていることが明らかとなった。一方で、集約化は進行しており、今後域内の河川水の窒素・りん汚染に関する調査が必要であることが示唆された。農薬については、除草剤の使用が一般化しているものの、使用量の多い園芸作が限られており、懸念は小さいとはいえ、ある程度の調査は必要と思われる。タイ北部では、常畑化した、かつての焼畑地の畑作環境の持続性に関する現地調査を行った。少数民族カレンの土地利用は、焼畑の常畑化に起因する生産力低下のため、化学肥料の施用を余儀なくされているが、商品作物を導入することにより、自給作物生産を維持するための化学肥料購入資金を得ていること、そのため、自給作物栽培の集約化と、元々集約的な商品作物栽培の導入によって、カレンの斜面農業は急速に集約化している現状が明らかになった。調査地のある小流域を流れる河川水のりん含量の分析から、顕著な河川水の汚染は認められなかったが、これは、一部には斜面畑地の下に展開する水田によって、過剰のりんが吸収されているためかと考えられる。タイ東北部では、農家圃場でトウモロコシの試験栽培を行い、砂質土壌の有機物動態と作物生育の関係を明らかにした。また、大学内の試験圃場では、キャッサバの肥料試験を行い、タイ東北部でのキャッサバの持続的栽培のための施肥指針を示した。一方、ベトナム中部ソンラー省モックチャオ県では、衛星画像の分析から過去の土地利用動態の解析を行うための予備調査として、現在の土地利用と昨年度の画像の比較調査を行い、最適な分析手法を明らかにした。
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