研究課題/領域番号 |
18209002
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
北 泰行 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (00028862)
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研究分担者 |
藤岡 弘道 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (10173410)
土肥 寿文 大阪大学, 薬学研究科, 助手 (50423116)
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キーワード | 生物活性物質 / 立体選択的合成 / 環境対応 / 創薬化学 / 有機ヨウ素 / 全合成 / アルカロイド / リサイクル |
研究概要 |
優れた生物活性を有するが微量しか得られず、複雑な高次構造を有する生物活性天然物の独創的高効率全合成を目的として、平成18年度は主にそのための基盤反応の開発研究、および実用性や環境調和に重点を置いた改良全合成法の確立を行った。 1.独創的な高立体選択法を開発し、抗腫瘍海洋アルカロイドディスコハブディン類や生物活性天然物であるタニコライド類、スキホスタチンの全合成法を達成した。 2.当研究室で開発した芳香族Pummerer型反応を多段階に応用し、強いヒトテロメアーゼ阻害活性を有し、新たな作用機構を持つ抗癌剤として期待される、γ-rubromycinの全合成に世界で初めて成功した。 3.超原子価ヨウ素反応剤の新反応性の開拓と応用の一環として、ヘテロ芳香環の一電子酸化を鍵とする直接的かつ簡便な炭素-炭素結合の開発に成功した。また、独自に開発した高リサイクル型多点反応剤をこれに応用し、環境適合型の実用的合成法へと発展させた。また、超原子価ヨウ素反応剤の触媒化に取り組み、強酸を用いない汎用性の高い触媒再生法を確立し、含窒素スピロ環化合物の効率合成法へと応用した。 4.従来法では不可能なケタール存在下にアルデヒドを脱保護する独自の方法を応用し、種々の求核剤の導入による新規結合形成法と環状化合物の効率的合成を達成した。 5.生体触媒(リパーゼ)を用いる新規動的光学分割法として、ラセミ化触媒である遷移金属バナジウム錯体共存下用いることで高光学純度のアリルアセタート類の簡便入手法を確立した。 6.構造活性相関研究により、癌の自然転移に深く関係するコネキシン26を選択的に阻害し、他のサブタイプには影響しない新規オレナミド誘導体の開発に成功した。
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