研究課題
増殖因子受容体やToll様受容体などの下流の細胞内シグナル伝達では、リン酸化だけでなく、タンパク質がメンブレントラフィックと共役してユビキチン化を受けて分解されることにより、シグナルの強度や持続時間が調節されると考えられる。本研究では、このようなシグナル伝達の過程で機能すると考えられるタンパク質のTollip(Toll-interacting protein)とTom1(target of myb 1)に関して、生化学的および細胞生物学的に解析して以下のことを明らかにした。1.TollipがそのC2ドメインを介しておそらくはPIP3を認識してエンドソーム膜上に局在すること。2.Tom1がそのGATドメインを介してTollipに結合して、サイトゾルからエンドソーム膜上へとリクルートされること。3.さらにTom1がGATドメインを介してユビキチン化タンパク質をエンドソーム膜上へとリクルートすること。4.Tom1はそのC端領域に存在するクラスリンボックス・モチーフを介してクラスリンと結合し、クラスリンをエンドソーム膜上へと間接的にリクルートすること。以上のような結果から、Tom1-Tollip複合体が増殖因子受容体やToll様受容体の下流で機能して、クラスリンと共役するメンブレントラフィックを調節することにより、ユビキチン化タンパク質のエンドソームを経てリソソームでの分解を調節する可能性を示した。
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