研究課題
電位センサー蛋白VSPとVSOPに関して分子動作原理の解析と生理機能について以下の解析を行った。(1)VSPの動作原理の解明電位センサードメインと酵素ドメインの共役のメカニズムを明らかにするため電位センサードメインに様々な変異を導入し電荷-電圧曲線が異なる分子を作成し、これらについてカリウムチャネルの活性を用いた酵素活性の定量を行い、酵素活性の電位依存性が電位センサーの電位依存性と並行してシフトするかどうかを検討した。カリウムチャネルとしてはGIRK2とKCNQ2/3を用い様々な膜電位に保持したときのカリウムチャネル活性の増減の速度を測定することにより検討した。その結果電荷-電圧曲線が過分極側にシフトしていた分子では酵素活性の電位依存性も過分極側へシフトしており、脱分極側へシフトしていた分子では酵素活性も同様に脱分極側へシフトしていた。これらの解析においては、Ci-VSPの発現量が酵素活性の電位依存性曲線に影響するためゲート電流の電荷量を指標として同様な発現量を示す細胞群間での比較を行った。(2)VSPの生理機能の解明電位感受性酵素が生体で果たす役割を明らかにするため各動物種のVSPに対する抗体を作成した。細胞内ドメインとGSTの融合蛋白を大腸菌にて合成し、精製の後、ウサギに免疫した。トリVSP抗体については組織染色で発現を確認しており、ゼブラフィッシュについても組織での発現を確認する予定である。(3)VSOPの動作原理の解明VSOPの構造機能相関を明らかにするため様々な部位に点変異を導入したコンストラクトを作成し、電位依存性を計測した。S4領域の3つのアルギニンを各アミノ酸に変更したところ電位依存性のシフトが確認され他の電位依存性イオンチャネルと同様にS4領域が電位感知に重要であることが示唆された。また、重要なアミノ酸部位の同定を行うことを目的として様々な生物種からVSOP相同分子をクローニングし分子機能の比較を行った。
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