研究概要 |
1)ゲノムワイド関連解析:約3万個のマイクロサテライトマーカーを用いたゲノムワイド関連解析を行い、プーリングサンプルによる1次、2次、3次スクリーニングを終了した。その結果1次スクリーニングで2,966個につき有意差が見られたが、3次スクリーングではその数が352個であった。今後SNPでの関連解析を行うことにより、疾患感受性遺伝子の同定を試みる。 2)グルタミン酸伝達系遺伝子群のローカスワイド関連解析:グルタミン酸トランスポーターEAA73,EAAT1,EAA74遺伝子(SLCIA1、SLCIA3、SLCIA6)について連鎖不平衡を考慮し選択したSNPを用いた関連解析を行った。その結果SLCIA6についてハプロタイプで関連を認めた。 3)罹患同胞対解析結果に基づくローカスワイド関連解析:罹患同胞対解析の結果連鎖傾向が認められた5q33.1領域の43個の遺伝子につき、ローカスワイド関連解析を行い2個の遺伝子に関連を認めていた。しかし、タイ人集団で再検を試みたところ、有意差は認められなかった。日本人特異的な疾患感受性遺伝子の可能性が考えられた。 4)疾患モデルラットによる解析:PCP投与ラットの大脳の5部位から、マイクロアレイおよび定量的RT-PCR法により2.5倍以上の発現変化を来たす12種類の遺伝子を確認した。これらの遺伝子について、5種類の遺伝子について関連解析を終了し、うち1つに関連を認めた。 5)個体を用いた機能解析:先に関連を報告した(GRIA4)についてノックアウトマウスを作出し、海馬スライスを用いてLTPを解析した。 Adultでは野生型と有意な差は認められなかった。行動解析のために戻し交配を6世代まで完了し、現在行動解析のために繁殖中である。
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