研究課題/領域番号 |
18209018
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中山 健夫 京都大学, 医学研究科, 助教授 (70217933)
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研究分担者 |
杉森 裕樹 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (20276554)
赤松 利恵 お茶の水女子大学, 生活科学部, 講師 (50376985)
吉池 信男 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 健康栄養調査研究部, 部長 (80240232)
内藤 真理子 名古屋大学, 医学研究科, 助手 (10378010)
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キーワード | 社会医学 / 医療・福祉 / 衛生 |
研究概要 |
初年度は下記の諸課題について検討を進めた。 (1)日本における健康・医療領域の情報(ヘルス)リテラシーの概念形成と評価法の開発 (2)患者・生活者の情報探索・理解能力・意思決定・行動への影響に関する実態調査の予備検討 (3)マスメディア、特に新聞における健康・医療情報の評価と国際比較(マスメディア関係者への提言を含む) その成果は「からだ科学」特集号(科学評論社)「IT時代のヘルス・リテラシー」として主任研究者(中山)、分担研究者(杉森)の編集で刊行した。またオーストラリア・ニューキャッスル大学を訪問し、新聞記事における健康・医療情報の評価プロジェクト・"Media☆Doctor"について情報を得た。"Media☆Doctor"は治療関係の記事を対象に次の10項目、(1)Novelty of Treatment(2)Availability of Treatment(3)Treatment Options(4)Disease Mongering(5)Evidence(6)Quantification of benefits of Treatment(7)Harms of Treatment(8)Cost of Treatment(9)Sources of information(10)Relies on Press Releaseについて3段階(可・不十分・評価不能で評価する。本年度は(1)メディア・ドクターの評価項目が「患者向けの診療ガイドライン」の編集方針の決定、執筆などの指針となり得る、(2)評価結果を分析することで、健康情報はどうあるべきか、どのような要素が必要かなどを検討する際の情報が得られる、(3)評価結果を公表していくことで健康医療情報記事に改善の傾向がみられることなどを示した。これらの諸課題の横断的検討から、義務教育レベルからの(ヘルス)リテラシーの学習が、成人後の適切なリテラシーの習得に大きな意味を持つことを確認し、それを受けて健康・医療情報の提供の現状について教科書を対象とした実証研究の必要性が明確になった。
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