研究課題
基盤研究(A)
健康・医療、生活安全は現代人の最大関心事の一つであるが、同常には様々の情報が氾濫し、その信頼性を判断することの困難さは増大している。医療・医学や健康科学の急速な進展は、患者や生活者の立場からはその内実が容易には理解し難く、十分な信頼と安心を以ってそれらの恩恵を受けるには至っていない。個人が疾病罹患時の医療資源利用、またはセルフケアをはじめとする保健行動を適切に行なうために、情報を適切に活用し行動へ繋げる能力、すなわち医療・健康に関する情報リテラシ-またはヘルス・リテラシ-の重要性が注目されている。1990年代半ば以降、疫学を基盤とする「根拠に基づく医療(EBM)」が普及しつつある。マスメディア・インタ-ネット上の健康.医療情報の質評価に際して、海外では様々な形で附1の考え方が活用されており、国内でも実言1日的な検討が必要とされている。海外のヘルス・リテラシ-は「読み書き」能力が基本であるが識字率の高いわが国では、適切なセルフケア行動や治療・診断的介入の損得(益と害の勘案)、コスト意識や医療の不確実性(確率論)など、情報のより深い理解力をヘルス-リテラシ-の慨念形成に考慮する必要がある。このようなリテラシ-の向上が患者・生活者のセルフケア・受診行動に影響し、医療資源の浪費や医療費増大への抑止となる可能性も検討する価値があろう。本研究では次の5課題を設定し、健康・医療情報の適切な創出・伝達・利用を促進するための社会的基盤整備に向けて研究を進める.本研究では次の5課題を設定し、健康・医療情報の適切な創出・伝達・利用を促進するための社会的基盤整備に向けて研究を進める.(1)日本における健康・医療領域の情報(ヘルス)リテラシ-の概念形成と評価法の開発(2)患者・生活者の情報探索・理解能力・意思決(1) 日本における健康.医療領域の情報(ヘルス)リテラシ-の概念形成と評価法の開発(2) 患者・生活者の情報探索・理解能力・意思決定・行動への影響に関する実態調査(3) マスメディア、特に新聞における健康-医療情報の評価と国際比較(4) インタ-ネット上の健康・医療情報の伝達形式・質の評価と改善策の提案・普及(5) 生活者の情報(ヘルス)リテラシ-向上支援プログラム(体験学習、Webシステム)の開発と介入研究による有効性の検証
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