研究課題
本研究は(1)抗血小板薬の薬効と関連することが過去の研究で示唆された既知の因子(血漿中物質、血小板や他の血球、造血前駆細胞中の因子)や(2)未知の因子の中から抗血小板薬のモニタリングに有効な物質を探索し、実際の臨床検査に応用することを目的に開始された。本年度はこれまで(H18-20)に行った主たる検討、すなわち抗血小板薬アスピリンの服用前後における血漿サンプルや抗血小板薬としてアスピリン単剤服用患者の血液サンプルを対する候補因子解析やトランスクリプトーム解析の結果が示唆する「アスピリンに対する血小板の反応性の個体差と血漿中の血小板膜受容体GPIb alphaの切断フラグメントレベルの関係」の可能性について、さらなる検討を進めた。GPIb alphaは細胞外ドメインが切断されると血小板機能抑制、血栓形成能の抑制が認められる。最近、アスピリンがその切断を促進する事も報告された。本研究の成果もGPIb alphaの切断フラグメントの測定意義を示唆しているが、多くのサンプルを簡便に定量解析する方法が存在しない。したがって、本研究ではGPIb alphaの切断フラグメントを認識するペプチド抗体を作成、その詳細なcharacterization後に実際のGPIb alpha切断フラグメントの測定を患者サンプル対象に測定した。その結果、従来法での検討同様にアスピリン低反応性群ではその低値が認められた。以上、研究最終年度である本年度はこれまで得た自験データと文献情報を基に、抗血小板薬のモニタリングに有効な因子として選定されたGPIb alphaの切断フラグメントの測定法の最適化に重点をおいた研究を遂行した。本研究は研究実地計画に沿い、順調に進み成果を得ることが出来た。
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