研究概要 |
我々は発生工学的手法によりアテイホネクチン受容体AdipoR1,AdipoR2の遺伝子欠損マウスを作成し,AdipoR1とAdipoR2の両方をノックアウトすると,アディポネクチン結合と血糖降下作用等が消失すること,すなわち,AdipoR1,AdipoR2が生体内におけるディポルクチンの主要な受容体であることを示した(Nat.Med.13:332,2007)。またAdipoR1,R2ダブル欠損マウスが耐糖能障害とインスリン抵抗性を,AdipoR2欠損マウスがインスリン抵抗性を,AdipoR1,R2ダブル欠損マウスは両者を足し合わせたようなより顕著な糖尿病とインスリン抵抗性を,呈した。そのメカニズムとしてAdipoR1,R2ダブル欠損マウスです,インスリンの標的器官において,中性脂肪含量,炎症,酸化ストレスの増加が存在し,クランプ試験において糖新生の亢進と糖取り込みの低下の両方が認められ,全身での糖利用の低下が認められること,すなわち肝臓,骨格筋両方のインスリ抵抗性を示すころを明かにした(Nat.Med.13:332,2007)。さらに,メタボリックシンドロームデル動物においては,このAdipoRの量が低下していてメタボリックシンドローム原因の一部になっていること,子及び,AdipoR1の発現量をアディポネクチン存在したに増加させることはAMPKの活性化をもたらす事,AdipoR2の量を増加させることはPPARaの活性化,抗炎性,抵酸化ストレス作用を介して,実際に生体内においてメタボリックシンドロームを改善させることを示した(Nat.Med.13:332,2007)。さらに,絶食や飢餓によって増加したアディポネクチンの中で中分子量のアデイポネクチン,ヒトにおいてはアルブミンと結合した3量体アディポネクチン(Clin.Chem.53:1541,2007)が視床下部弓状核にあるAdipoR1を介してAMPキナーゼを活性化し,摂食を亢進させることを示した(CELLMetab.6:55,2007;FEBSLett.582:74,2008)。
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