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2009 年度 実績報告書

経皮ペプチド免疫療法によるヒトの悪性黒色腫治療

研究課題

研究課題/領域番号 18209036
研究機関浜松医科大学

研究代表者

瀧川 雅浩  浜松医科大学, 医学部, 教授 (80115873)

キーワード悪性黒色腫 / 経皮免疫療法 / 臨床試験 / 細胞障害性T細胞 / ペプチド / ランゲルハンス細胞 / 角層剥離皮膚 / ワクチン
研究概要

我々の開発した腫瘍ペプチドを用いた経皮免疫療法(PPI)は、簡便で非侵襲的に抗腫瘍細胞傷害性T細胞(CTL)を誘導する画期的な免疫治療である。これを用いてこれまで第III/IV病期の悪性黒色腫患者30名に対し、臨床試験を行った。被験者は、我々の保有する腫瘍ペプチドと特異的に結合するHLAハプロタイプ,すなわちHLA A0201またはA2402をもつ20歳以上の悪性黒色腫患者で、Europe cooperative oncology groupによるperformance statusが1以下、中枢神経または肝臓への転移を認めないものとした。途中脱落や死亡などで効果判定できなかったケースを除き、2010年2月時点で5回以上の治療を受け効果判定可能であった26例においては25例で貼付ペプチドのいずれかのCTLが誘導されていた。また、PPI施行中に皮膚転移を生じた1例で、その転移巣を切除し、浸潤細胞を調べると、CD45陽性細胞の24.3%がCD8陽性であり、さらにその23.8%がペプチド特異的CTLであった。患者プロファイルの偏りはあるが、従来の本施設における第IV病期8名とその予後を単純に比較すると、PPI治療群の方に延命効果がみられた。また、PPI治療の回数が7回以上である場合と7回未満とで比較すると、有意に7回以上免疫した群に延命効果がみられた(Kaplan-Meier法,p<0.0001)。内臓/骨転移群は、リンパ節にのみ転移がとどまる患者よりも予後が悪かった(Kaplan-Meier法,p=0.0373)。これらの結果より、PPI治療は、第III/IV期の悪性黒色腫の近未来的治療のオプションと成りうる可能性を示唆させる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 腫瘍ペプチドを用いた経皮免疫療法2009

    • 著者名/発表者名
      橋爪秀夫
    • 雑誌名

      Skin Cancer 24

      ページ: 164-173

    • 査読あり
  • [学会発表] 悪性黒色腫に対する経皮ペプチド免役療法 (PPI) の効果の検討2010

    • 著者名/発表者名
      藤山俊晴
    • 学会等名
      日本研究皮膚科学会きさらぎ塾
    • 発表場所
      沖縄 ホテル日航アリビラ
    • 年月日
      2010-02-13
  • [学会発表] 経皮ペプチド免疫療法によるメラノーマ患者治療2009

    • 著者名/発表者名
      瀧川雅浩
    • 学会等名
      第13回日本がん免疫学会総会
    • 発表場所
      北九州国際会議場
    • 年月日
      2009-06-24

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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