研究課題/領域番号 |
18209039
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
白土 博樹 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20187537)
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研究分担者 |
本間 さと 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20142713)
玉木 長良 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30171888)
鬼柳 善明 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80002202)
畠山 昌則 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (40189551)
金子 純一 北海道大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90333624)
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キーワード | 量子線シミュレーション / 電子線トラック解析 / モンテカルロ法 / 放射線治療 / ヘリコバクター・ピロリ / プラスチック検出器 / 体幹部定位放射線照射 / 非線形最適化 |
研究概要 |
本研究では、いままでの先端放射線医療に欠けていた、医療機器と患者のinteractiveな医療、患者への優しさ自体に最先端科学を利用した医療、を可能にする新しい放射線治療の開発を第一の目的としている。本年度は、放射線治療における量子線シミュレーション、電子線トラック解析をモンテカルロ法で行い、電子の励起反応も電離現象に加えて重要であることが示唆された。放射線による電離から治療効果までの因果関係の概念説計として、ヘリコバクター・ピロリと発癌との遺伝子レベルでの相互関係を調査した。相互作用放射線治療を実現するために、体内に留置可能なプラスチック検出器を利用した体内線量の推定研究を行った。体幹部定位放射線照射における線量を正しく計測するために、動きのある臓器内の線量分布を推定する研究を行い、過去の患者において、動体追跡技術の有意性が証明された。線量、動き、腫瘍の照射による縮小、腫瘍の放射線感受性などは、非線形な最適化が必要な領域であり、情報学の進歩を取り入れた治療計画が必要であうことが示された。腫瘍細胞内の放射線感受性のほかに、システムとしての組織・臓器の放射線感受性という概念を加えることが、今後の放射線治療に必要であること、そのためには4次元線量分割照射が有望であることが示唆された。最先端医療技術である動体追跡技術を、小動物を用いた光イメージング解析およびゲル内の細胞の動きに関して、利用することの有効性が示唆された。最先端医療技術から基礎生命科学への逆展開に展望が開けつつある。
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