研究課題/領域番号 |
18209044
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中村 達雄 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (70227908)
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研究分担者 |
岩田 博夫 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (30160120)
堤 定美 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (00028739)
瀧川 敏算 京都大学, 工学研究科, 教授 (50201603)
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キーワード | 人工気管 / 再生医学 / 組織工学 / コラーゲン / バイオマテリアル |
研究概要 |
以下の実績をあげた。 (1)新しい代用気管の作成 代用気管のコラーゲン部分をアモルファスコーティングから微細繊維型ゲルの状態に改良して、組織再生を促進させた。縦隔内気管再建に耐える気密性のある代用気管にするため、コラーゲンの密度を向上させ剥離しにくい構造にした。 (2)自己幹細胞の応用による上皮化・組織化の促進 再生組織工学の手法をもちいて自己骨髄より間葉系幹細胞を術前に増殖させておき、気管再建手術時に代用気管のコラーゲン部分に散布することによって早期の組織化や上皮化が起こるかどうかを検討した。骨髄刺穿液を直接コラーゲンスポンジ部に散布したグループとの比較も行った。 (3)長区間型人工気管の設計、左主気管支用代用気管の設計 7cm〜10cmの長い人工気管を設計した。上皮化が促進することを確かめた。中央部の力学強度が保持でき、かつ組織化が早く進むような構造のものを開発した。左主気管支再建は臨床需要が多いのでこれに使える人工気管もあわせて設計した。左主気管支再建では、右後側法で肺門背側からのアプローチと左開胸で大動脈の後ろからアプローチする術式を比較した。 (4)人工気管の大網内埋殖と有茎移植手技の開発 気管の早期組織化の試みとして、大網内に自己組織再生型人工気管を埋め込んでその病理的検討を行った後、大網動静脈をつけたままで縦隔内・胸部への移植を行った。動脈は内胸動脈に吻合した。ビーグル犬6頭を用いて、6ヶ月目に血管造影を行った後に屠殺して病理組織学的に気道再建部位における組織再生を評価した。この結果は現在、英文誌に投稿を予定している。 (5)動物(ビーグル犬)実験による気管再建実験と機能評価 試作した代用気管をin vitroで物性の評価をして、動物実験に耐えると判断されたモデルからビーグル犬への埋入実験を開始した。埋入後は気管支鏡を用いて定期的に観察を続ける。
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