研究課題/領域番号 |
18209046
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
片山 容一 日本大学, 医学部, 教授 (00125048)
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研究分担者 |
山本 隆充 日本大学, 医学部, 教授 (50158284)
酒谷 薫 日本大学, 医学部, 教授 (90244350)
深谷 親 日本大学, 医学部, 准教授 (50287637)
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キーワード | 脳深部刺激療法 / 定位脳手術 / フレームレス / 不随意運動症 / 機能的脳神経外科 / パーキンソン病 / ジストニア / マイクロレコーディング |
研究概要 |
フレームレス定位脳手術は、2004年に報告されて以来、次世代のDBS手術を担う新たな手法として注目されてきた。しかし既存のシステムでは、multi-tract microrecordingを行うことが困難であり神経生理学的同定が不十分との指摘もあった。今回、我々はmulti-tract microrecording可能なフレームレスシステムを世界に先駆け導入し、その精度、安全性などを検討したので報告する。 対象はパーキンソン病患者5例(10側)である。これらの症例にフレームレスシステム(NeXframe)を用いた手術を行った。手術に際しては、Leksell G frameも併用し、電極留置後、定位的レントゲン装置で前後左右方向からの電極位置の確認を行った。Multi-tract microrecordingはBen's Gun systemを用いて3もしくは4 tractで行った。同時期に我々の施設にて行われたフレーム手術症例20例(40側)と、その精度、安全性や操作性などを比較した。 定位レントゲン装置およびMRIより求められた電極位置と計測値のずれは、X(1.3±0.3mm)、Y(1.0±0.9mm)、Z(0.8±0.6mm)で、精度に関してはフレーム手術と有意な差はなかった。ただし、構造上十分な手術視野を確保することが困難であり、multi-tract用の電極刺入部位の凝固・止血操作がしばしば煩雑となる重要な問題が生じた。この点が改良されなければ本システムの普及は望めないと考えられた。
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