研究分担者 |
相原 一 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (80222462)
富所 敦男 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (80227628)
柏木 賢治 山梨大学, 医学部, 准教授 (30194723)
原 英彰 岐阜薬科大学, 薬科学科, 教授 (20381717)
加藤 聖 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10019614)
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研究概要 |
(1)マウス,ラット眼を用いた緑内障性神経細胞障害のin vitroでの解析: 平成19年度,ラットRGC培養系を用いて圧負荷培養を行ったところ,大気圧,高眼圧負荷による細胞死は見られなかったが,グルタミン酸付加による細胞死を促進する作用があることが分かった。RGCとミュラー細胞,視神経アストロサイトの共培養系において,加重負荷,NMDA負荷などのストレスに対するグルタミン酸トランスポーター(GLTs)の発現変化,RGC保護に関する影響を検討した結果GLTsがサブタイプによってストレスに対する応用性が異なること,ストレスの無い状態とストレス存在下でのGLTsのRGCに対する作用が異なることなどが明らかになった(新家,柏木,相原)。 (2)マウス眼を用いた緑内障性神経細胞障害のin vivoでの解析: 平成19年度,網膜神経節細胞に特異的蛍光を発するCFPマウスの眼底撮影により網膜細胞を直接観察し,虚血再灌流による神経細胞死を生体内で評価できた(新家,相原)。 (3)猿緑内障モデル眼の中枢神経系における機能及び構造の解析: 平成19年度はサルを用いてレーザー照射による片眼性慢性眼圧上昇モデルを作成し,レーザー照射4カ月後に屠殺して脳内で障害を受けたマイクログリアに集積する末梢方ベンゾジアゼピンのトレーサーの集積とc-fos遺伝子の発現などの変化を脳内で検討した。さらに,サルでの静的視野測定法を既に確立報告しているが,その方法で屠殺前の視野所見と眼及び脳(外側膝状態)における組織学的所見を対応させ解析した(原)。 (4)金魚とマウスでの視神経障害時に発現する遺伝子,分子の解析: 金魚の視神経再生中に発現上昇したIGF-I(インシュリン様成長因子-I)とTG(トランスグルタミネース)のリコンビナント蛋白を成熟ラット網膜片培養下に添加したところ,著明なRGCsからの神経突起の伸展が観察された。また,IGF-Iの眼球内投与によりRGCsのアポトーシスの著明な抑制,損傷部位を越えた中枢側への視神経軸索の伸長が見られた。以上から金魚の再生分子は,ラットの損傷RGCsの生存と軸索再伸長を引き起すことが明らかとなった(加藤,新家)。 (6)網膜幹細胞,間葉系幹細胞を用いたRGC再生の検討: 平成19年度までに,網膜幹細胞,骨髄幹細胞,皮膚幹細胞の取得,培養系を用いて,幹細胞からRGCへの分化に必要な因子を検討した(新家,富所)。
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