研究課題
(1)グリア細胞との共培養で負荷条件の違いに関わらずRGCの細胞死は軽減され、その程度はミュラー細胞に強く認められた。ただし、RGCの神経突起に関してはアストロサイトにより強く認められ、グリア細胞間で作用が異なることが明らかとなった。上記原因を探索するために、それぞれのグリア細胞における遺伝子発現を網羅的に解析し、2種のグリア細胞では1700程度の遺伝子発現に差があること、負荷によってそれぞれのグリア細胞において発現が有意に変化する遺伝子を同定した。現在これらの遺伝子の発現変化の意義を検討している(新家、柏木、相原)。(2)RGCとアストロサイトを長期間共培養すると、RGCの一部が成熟しネットワークを形成する。このネットワークに関与しないRGCはアポトーシスによって消失しており、RGC生存、成熟におけるグリア細胞、特にアストロサイトの重要性が確認された。現在軸索の形態変化とそれを調整するアストロサイト由来因子の同定を行っている(新家、柏木、柏原)。(3)サル左眼にアルゴンレーザーの隅角照射を行い、眼圧上昇を誘発した。レーザー照射0〜48週間後に眼底写真の撮影を行った。視神経及び脳を経時的に摘出し、切片を作製した。視神経線維数はトルイジンブルー染色を行い測定し、外側膝状体(LGN)神経細胞数及び細胞体の面積はクレシルバイオレット染色を行い測定した。(原)。(4)金魚とマウスでの視神経障害時に発現する遺伝子・分子の解析:IGF-Iの眼球内投与によりRGCsのアポトーシスの著明な抑制、損傷部位を越えた中枢側への視神経軸索の伸長が見られた。以上から金魚の再生分子は、ラットの損傷RGCsの生存と軸索再伸長を引き起すことが明らかとなったが、その関連因子を検討した(加藤、新家)。(5)網膜幹細胞、間葉系幹細胞を用いたRGC再生の検討:平成20年度までに、網膜幹細胞、骨髄幹細胞、皮膚幹細胞の取得・培養系を用いて、幹細胞からRGCへの分化に必要な因子を検討し、その機序を検討した(新家、富所)。
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