研究課題/領域番号 |
18209054
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研究機関 | 国立循環器病センター(研究所) |
研究代表者 |
巽 英介 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 部長 (00216996)
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研究分担者 |
水野 敏秀 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室長 (40426515)
妙中 義之 国立循環器病センター研究所, 副所長 (00142183)
塩谷 恭子 国立循環器病センター研究所, 動物管理室, 室長 (50426516)
田中 秀幸 国立循環器病センター研究所, 人工臓器部, 室員 (20443476)
片桐 伸将 国立循環器病センター研究所, 研究評価室, 流動研究員 (00463274)
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キーワード | 経皮的心肺補助 / PCPS / ヘパリンコーティング / 抗凝固療法 / ECMO / 抗血栓性 / 血漿漏出 / ガス交換 |
研究概要 |
経皮的心肺補助(PCPS)は現在行い得る唯一の機械的心肺補助手段であり、近年救急医療領域を中心にとくにその有用性が高まりつつある。しかしながら、従来のシステムは緊急対応性に乏しく抗血栓性に乏しく、使用期間も数日程度に限られており臨床成績も良好とは言い難かった。本研究では、容易かつ迅速に適用可能でしかも長期間安全に使用できる次世代型PCPS装置の開発を目的とした。開発目標は、優れた移動性・携帯性を有し、長期耐久性に優れ、さらにヘパリン投与等の抗凝固療法が不要な画期的なものである。研究期間2年目となる本年度は、引き続き試作PCPS回路の慢性動物実験評価による改良を重ねた。その結果、抗凝固療法非施行下で最長3ケ月間の安全な連続使用を達成した。移動性・携帯性を獲得するために、当施設臨床部門との連携下でパッケージ化PSPC装置の改良を進め、コアサイズは24×46×90cm、重量31kgの小型カートに集積化したシステムを試作した。これは酸素ボンベおよび高性能バッテリを搭載しており、酸素や電源の供給なしで3時間程度の駆動が可能である。この試作モデルを、院内のPCPS症例に試用したところ、優れた移動性が確認された。さらに、新生児・乳児への適用を考えたPCPS回路の試作に着手した。現在までに回路の全充填量を147mlまで低減することに成功し、また長期使用に際し血栓好発部位となる段落としコネクタを排除するために、段差なく径を変える回路を開発した。
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