• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

チューイングによる脳機能回路の賦活化と再生

研究課題

研究課題/領域番号 18209058
研究機関神奈川歯科大学

研究代表者

小野塚 実  神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (90084780)

研究分担者 佐藤 貞雄  神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (00084799)
植松 宏  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (80100957)
兼松 雅之  岐阜大学, 医学部附属病院, 助教授 (40252134)
渡邊 和子  岐阜大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (40158621)
キーワード記憶 / 咬合咀嚼 / ガムチューイング / 連合野 / 前頭前野 / 海馬 / 認知 / 認知
研究概要

少子高齢化は日本だけでなく欧米の"いわゆる先進国"といわれる国々に共通する大きな社会問題になっている。とりわけ高齢者の健康寿命を延長すべき対策は世界的な懸案となっている。近年口腔機能と認知症の関連が老人病院の現場で指摘されるようになり、とくに咬合・咀嚼(チューイング)と高齢者の知的機能との関係が注目されている。本研究では、申請者らがこれまで展開してきた研究をベースに、磁気共鳴機能画像法(fMRI)を駆使し、健常な高齢者(ボランティア)の空間認知とその機能を担う海馬、前頭前野、および扁桃体の活動レベルをシステム的に検索した。
その結果、以下の成績を得た。
(1)fMRI法を用いて咬合刺激による脳活動の変化を測定したところ、皮質運動野、体性感覚野、補足運動野、小脳の神経活動の増強が有意に認められた。また、咬合刺激を上昇させると、これらの領域の活動がより顕著になり、新たに連合野(頭頂部、前頭部、側頭部)が活性化されることが明らかになった。特に前頭前野の活性化はこれまでにない新発見であった。
(2)同様の方法で、各種年齢層の海馬活性に対する咬合刺激の影響を検索した。その結果、海馬の活性化は咬合刺激によって増強し、その程度は加齢に依存して顕著になることが判明した。
(3)咬合刺激によって近時記憶の向上が高齢者で見られた。その割合は2割以上に達することがわかった。
以上のことから、咬合咀嚼刺激は高齢者の記憶獲得あるいはその維持に有用であり、認知症老人を含め高齢者の咀嚼機能維持はきわめて重要であることがわかった。したがって、本年度の目標はほぼ達成できた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Occlusal disharmony induces spatial memory impairment and hippocampal neuron degeneration via stress in SAMP8 mice2007

    • 著者名/発表者名
      Kubo K, et al.
    • 雑誌名

      Neuroscience Letters 414

      ページ: 188-191

  • [雑誌論文] Gadolinium-enhanced multiphasic 3D MRI of the live with prospective adaptive navigator correction : phantom study and preliminary clinical evaluation2007

    • 著者名/発表者名
      Kanematsu M, et al.
    • 雑誌名

      Gastorointestinal Imaging 188

      ページ: W309-W316

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi