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2006 年度 実績報告書

指尖毛細血管採血による血漿抗体価測定を用いた歯周病細菌感染度の判定法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18209061
研究機関岡山大学

研究代表者

高柴 正悟  岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (50226768)

研究分担者 永田 俊彦  徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究所, 教授 (10127847)
安孫子 宣光  日本大学, 松戸歯学部, 教授 (70050086)
山崎 和久  新潟大学, 教育研究院医歯学系, 教授 (00182478)
長澤 敏行  東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90262203)
日野 孝宗  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (20274102)
キーワード歯周病 / 歯周病菌に対するIgG抗体価 / 指尖採血 / 歯周病診断 / マルチセンター式研究
研究概要

本研究は,指尖からの微量採血による血清抗体価測定を用いた歯周病細菌感染度の判定法を確立するために,(1)既存のサンプルバンク(東京大学内に設置)から購入した歯周病患者の血清(750検体),および(2)歯周病患者の指尖から採血した微量血漿(治療前後:1,100名,計11歯学部),におけるIgG抗体価をELISA法で測定し,歯周病の臨床症状との相関を調べることを軸に実施するものである。平成18年度の研究実績を以下に示す。
1.既存のサンプルバンク(東京大学内に設置)から購入した歯周病患者の血清中のIgG抗体価測定
本研究実施に際して東京大学内の倫理委員会の承認を得た後,東京大学と有体物配布契約(MTA)を締結した。これに基づき,歯周病患者750名分の血清試料を購入した。現在,全試料のIgG抗体価を測定・解析中である。
2.歯周病患者の指尖から採血した微量血漿中の歯周病菌に対するIgG抗体価の測定
2-1.歯周病患者特異的な血清IgG抗体価(静脈採血サンプル)上昇の判定
P. gingivalisに対する血清IgG抗体価と他の炎症性疾患マーカーである血中のCRP値,リウマチ因子およびgグロブリン量との相関を調べて測定系の疑陽性の程度を確認したところ,それらに有意な相関がないことが分かった。そこで歯周病患者群(73名)と健常者群(35名)においてP. gingivalisに対する血清IgG抗体価を測定し,歯周病患者群の平均血清IgG抗体価が有意に高い値を示すことを確認した。また血清IgG抗体価は,歯周病患者個々の最深の歯周ポケット深さに相関して高値を示すことも併せて確認した(P=0.012)。
2-2.指尖採血と静脈採血のIgG抗体価の一致度の確認
P. gingivalis, P. intermedia, E. corodensおよびA. actinomycetemcomitansに対するIgG抗体価を,指尖血,静脈血において測定し一致度の相関を調べ,すべての歯周病菌において,指尖血-静脈血間のIgG抗体価は,相関係数0.98以上の強い近似性を示すことを確認した。
2-3.造血器腫瘍を中心とした血液疾患患者における歯周病の重症度とP. gingivalisに対する血清IgG抗体価との関連
血液疾患のため白血球数が少ない患者であっても,歯周病の重症度(CPIを指標)とP. gingivalisに対する血清IgG抗体価が有意に相関することを確認した。
以上の研究成果は,歯周病菌の感染度の指標であるIgG抗体価が,歯周病の重症度と相関し,将来の歯周病診断に有用であることを示唆するものである。来年度以降,指尖採血による微量サンプルであっても,歯周病の重症度の判定に用いることが可能かどうかを,引き続きマルチセンター方式の研究によって解析する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 造血器腫瘍を中心とした血液疾患患者における歯周病の重症度とPorphyromonas gingivalisに対する血清IgG抗体価との関連性に関する研究2006

    • 著者名/発表者名
      曽我賢彦, ら
    • 雑誌名

      日本歯科保存学雑誌 49巻・6号

      ページ: 731-738

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公開日: 2010-02-01   更新日: 2016-04-21  

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