研究課題
北パタゴニア氷原:3班に分れて調査した。第1班は、5月にエクスプロラドーレス氷河周辺において、気象・水文・土砂観測ステーションのメンテナンスとデータ回収を行った。10月には、バケール川下流部Nadis地点に設置した浮流土砂量モニタリングのための高濃度濁度計のメンテナンスとデータ回収、および浮流土砂のサンプリングを行なった。またエクスプロラドーレス氷河における観測ステーションのメンテナンスとデータ回収なども併せて実施した。さらに、これまでの観測によって得られたデータを用いて、エクスプロラドーレス氷河流域の水・土砂流出モデルを構築した。第2班は12月から2008年1月にかけて北氷原東側の地形調査を行い、ラゴ・ヘネラルカレーラ周辺では大きく2段、ラゴ・コクラン周辺では3段の湖岸段丘の分布を確認すると共に、段丘構成礫層の堆積構造の調査を行った。さらに、ラゴ・ヘネラルカレーラ周辺の湖岸段丘からは放射性炭素年代測定試料の収集を行った。第3班は2008年3月にエクスプラドーレス氷河を訪れ定点写真観測を行った。また、西隣のグロッセ氷河では空撮のグランド・トルースを行った。さらに、両氷河とエクスプラドーレス川流域、およびソレール氷河の垂直写真を撮影した。北氷原の溢流氷河の末端の空撮も行った。南パタゴニア氷原ペリート・モレーノ氷河では継続観測項目として、氷河表面高度プロファイルの測定、氷河流動測定、氷河末端の流動とカービングの観測を行い、さらにムーランの水位をいくつかの点で計測した。ラゴ・スールには過去の大幅な湖面上昇により、現在の湖面からやく20m上に顕著な植生線が見られる。この湖面上昇の時期を推測するべく、湖面上昇によって枯死した4本の大木から年代測定資料を採取したところ、3本から約260-27±50-70BPとのデータが得られた。この時期は隣のアメギーノ氷河で得られた小氷期の前進時期とほぼ同じであり、ペリート・モレーノ氷河も同じ時期に前進した可能性を示唆する
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Proceeding of the First Joint PI Symposium of ALOS Data Nodes foe ALOS Sceince Program in Kyoyo CD-ROM
ページ: 4
Bylluetin of Glaciological Research 24
ページ: 71-78