研究概要 |
本研究は, 環礁立国における住民・社会基盤の安全を維持するため, サンゴ礁とその上に載る洲島の「礁-洲島系」を防災基盤として評価し, 成果を社会に還元する事を目指している。このため, モルディブで発生した津波被害・サンゴ礁基盤の崩壊現象などを基に、サンゴ礁地形学・炭酸塩堆積学の観点から, 太平洋・インド洋の環礁立国の防災基盤としてのサンゴ礁の役割の解明を試みる。 インド洋大津波によってモルディブ共和国が受けた被害は, 今後の大津波によって太平洋・インド洋の環礁立国が被る可能性のある被害を示唆している。モルディブ諸島での津波調査から, より安全な国土とはどのような洲島かを検討した上で, 太平洋の環礁立国の洲島にて地形調査を行い, 今後の防災計画を立てるための基礎資料を提供する。また, 環礁立国における礁-洲島系の地形・堆積構造を維持し国土を保全するため, 波浪に抗しうるサンゴ礁構造がどこにどのような形で分布するか, その成因を含めて検討する。これにはモルディブ共和国首都マーレにて発生したサンゴ礁崩壊地での礁構造調査や基盤サンゴ礁のボーリング調査によって試料を得る。また, 洲島周囲で進められている埋め立て・浚渫などの礁-洲島系の改変と礁性堆積物の再配置, それに伴う地盤災害についての調査を行い, 環礁立国における地盤問題と国土開発について検討する。
|