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2006 年度 実績報告書

9.11後のイスラーム世界におけるイスラームフォビア意識の浸透に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18251004
研究機関東京外国語大学

研究代表者

飯塚 正人  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (90242073)

研究分担者 大塚 和夫  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (70142015)
酒井 啓子  東京外国語大学, 大学院地域文化研究科, 教授 (40401442)
黒木 英充  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (20195580)
中田 考  同志社大学, 神学部, 教授 (40274146)
山岸 智子  明治大学, 政治経済学部, 准教授 (50272480)
キーワード国際研究者交流 / 多国籍 / イスラームフォビア / アルカーイダ / ジハード / テロ / ムスリム / トロント
研究概要

本研究は,多くのムスリムの同胞意識を高める一方で,彼らの一部を自発的な武装闘争(テロ)にも駆り立ててきた/いる,ほとんど唯一の要因である「イスラームフォビア(ムスリムへの迫害・攻撃)」意識の広範な浸透の実態とその要因について,また「イスラームフォビア」として認識される事例は何か,を地域毎の現地調査を通じて明らかにすることを目的としている。この目的を達するため,本年度はEU諸国在住ムスリムを重点調査対象とし,イギリス,フランス,スペインの三国でムスリム諸団体や個人に対するインタビューと出版物の収集・分析を行った。また,平成18年6月にカナダ・トロントで地元出身のムスリム青年グループによる反政府テロ計画が摘発された際,欧米諸国では初めて,カナダ当局がこれら青年とアルカーイダとの接触を明確に否定し,アルカーイダ思想(ムスリムは攻撃されており,自衛のためにジハード=テロが必要であると説く)に共鳴した青年たちが自発的に計画したテロであると発表したのを受け,カナダでも緊急現地調査を実施している。こうした調査の結果,明らかになったのは,イギリス・フランスに比してスペイン・カナダに住むムスリムは一般に,自国内で差別・迫害されている意識は薄いものの,アメリカのイラク占領,イスラエルのパレスチナ占領を「イスラームフォビア」と認識している点では変わりがなく,昨夏のイスラエルによるレバノン攻撃を経て「イスラームフォビア」意識はいよいよ深く浸透しつつあるという事実であった。このほか,本研究では4年の研究期間内で「イスラームフォビア」意識の浸透度を定点観測し,浸透度が変化する原因をも明らかにしたいと考えているため,エジプト・シリア・カタルでも初年度から現地調査を実施した。これら諸国にあってもイスラエルによるレバノン攻撃の影響は顕著であり,「イスラームフォビア」意識は以前より明らかに強くなっている。

  • 研究成果

    (20件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (18件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] テロ討伐と女性像(イメージ)-中東研究の立場から2007

    • 著者名/発表者名
      山岸智子
    • 雑誌名

      国際法・国際関係とジェンダー(東北大学出版会)

      ページ: 299-312

  • [雑誌論文] 月曜評論 イスラムの暦と悲劇2007

    • 著者名/発表者名
      大塚和夫
    • 雑誌名

      信濃毎日新聞 2月12日

      ページ: 2

  • [雑誌論文] 米国の対イラク政策転換とその問題(特集 アメリカの戦争)2007

    • 著者名/発表者名
      酒井啓子
    • 雑誌名

      季刊 軍縮地球市民 7

      ページ: 49-51

  • [雑誌論文] イラク フセイン処刑は何を意味しているか-「革命政権」としてのイラク2007

    • 著者名/発表者名
      酒井啓子
    • 雑誌名

      世界 762

      ページ: 216-223

  • [雑誌論文] 「海賊鎮圧」から「対テロ戦争」へ-欧米の東南アジア関与における「長い持続」(特集 アメリカの戦争)2007

    • 著者名/発表者名
      床呂郁哉
    • 雑誌名

      季刊 軍縮地球市民 7

      ページ: 70-75

  • [雑誌論文] イスラム シーア、スンニ 中東宗教地図2006

    • 著者名/発表者名
      飯塚正人, 山岸智子
    • 雑誌名

      週刊エコノミスト 8月14日臨時増刊

      ページ: 126-127

  • [雑誌論文] 月曜評論『ザルカウィ』生む無関心2006

    • 著者名/発表者名
      大塚和夫
    • 雑誌名

      信濃毎目新聞 6月19日

      ページ: 2

  • [雑誌論文] 『アラーの神』という誤訳-日本語によるイスラーム理解の諸問題-2006

    • 著者名/発表者名
      大塚和夫
    • 雑誌名

      社団法人日本工業倶楽部会報 二百十七

      ページ: 82-93

  • [雑誌論文] 月曜評論 イスラムへの偏見の根2006

    • 著者名/発表者名
      大塚和夫
    • 雑誌名

      信濃毎日新聞 10月16日

      ページ: 2

  • [雑誌論文] 『宗教戦争』の時代?(特集 アメリカの戦争)2006

    • 著者名/発表者名
      大塚和夫
    • 雑誌名

      季刊 軍縮地球市民 7

      ページ: 26-29

  • [雑誌論文] 「革命」か「分断」か-イラクの「パレスチナ化」の真相(特集 イスラームと世界 衝突か抵抗か)(激動するイスラーム)2006

    • 著者名/発表者名
      酒井啓子
    • 雑誌名

      現代思想 34・6

      ページ: 73-81

  • [雑誌論文] 選挙後のイラク情勢(特集 イラク、イラン、パレスチナ-複合化する問を読み解く 検証 中東情勢)2006

    • 著者名/発表者名
      酒井啓子
    • 雑誌名

      外交フォーラム 216

      ページ: 30-33

  • [雑誌論文] イラクの実態 イラク「駐留」狂想曲のあとに何が残されたか(特集イラク占領は何をもたらしたか)2006

    • 著者名/発表者名
      酒井啓子
    • 雑誌名

      世界 755

      ページ: 87-95

  • [雑誌論文] さよなら、イラク。ベイルートよ、こんにちは…拡張する紛争の火種(イラク そして世界(4)自衛隊撤退)2006

    • 著者名/発表者名
      酒井啓子
    • 雑誌名

      論座 136

      ページ: 236-243

  • [雑誌論文] レバノン-再び迫りくる危機に向けて2006

    • 著者名/発表者名
      黒木英充
    • 雑誌名

      オルタ 372

      ページ: 8-10

  • [雑誌論文] Border Crossing and Politics of Religion in Sulu2006

    • 著者名/発表者名
      TOKORO Ikuya
    • 雑誌名

      Militant Islam in Southeast Asia (Asian Cultural Studies 15 (Special Issue)

      ページ: 121-136

  • [雑誌論文] 幻想の自由と偶像破壊の神話(特集 イスラームと世界 衝突か抵抗か)(激動するイスラーム)2006

    • 著者名/発表者名
      中田考
    • 雑誌名

      現代思想 34・6

      ページ: 168-187

  • [雑誌論文] これは風刺画?-ムハンマド風刺画騒動を考える2006

    • 著者名/発表者名
      山岸智子
    • 雑誌名

      季刊 軍縮地球市民 4

      ページ: 216-217

  • [図書] Newsweek THE WORLD IN 2006 イスラムの基礎知識2006

    • 著者名/発表者名
      飯塚正人(監修)
    • 総ページ数
      16
    • 出版者
      株式会社阪急コミュニケーションズ
  • [図書] 原理主義から世界の動きが見える キリスト教・イスラーム・ユダヤ教の真実と虚像2006

    • 著者名/発表者名
      小原克博, 中田考, 手島勲矢
    • 総ページ数
      289
    • 出版者
      PHP研究所

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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