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2007 年度 実績報告書

9・11後のイスラーム世界におけるイスラームフォビア意識の浸透に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18251004
研究機関東京外国語大学

研究代表者

飯塚 正人  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (90242073)

研究分担者 大塚 和夫  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (70142015)
酒井 啓子  東京外国語大学, 大学院・地域文化研究科, 教授 (40401442)
黒木 英充  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (20195580)
中田 考  同志社大学, 神学部, 教授 (40274146)
山岸 智子  明治大学, 政治経済学部, 准教授 (50272480)
キーワード国際研究者交流 / 多国籍 / イスラームフォビア / アルカーイダ / ジハード / テロ / レジスタンス / ヒズブッラー
研究概要

本研究は,多くのムスリムの同胞意識を高める一方で,彼らの一部を目発的な武装闘争(テロ)にも駆り立ててきた/いる,ほとんど唯一の要因である「イスラームフォビア(ムスリムへの迫害・攻撃)」意識の広範な浸透の実態とその要因について,また「イスラームフォビア」として認識される具体的な事例は何か,を地域毎の現地調査を通じて明らかにすることを目的としている。この目的を達するため,本年度は中東地域を重点調査対象とし,ヨルダン,イエメン,バーレーン,レバノン,イラン,トルコの六か国でムスリム諸団体や個人に対するインタビューと出版物の収集・分析を行った。また,その他の国々のムスリムについても文献調査あるいは自費による現地調査を実施している。こうした調査の結果明らかになったのは,国によって差はあるものの,一般に中東に住むスンナ派の多くがアルカーイダ思想(ムスリムは攻撃されており,自衛のためにジハード=テロが必要であると説く)に通じる強いイスラームフォビア意識を抱いており,それゆえアルカーイダを含むジハード団体をテロリストというよりはレジスタンスと見ていること,また2006年夏のイスラエル軍によるレバノン攻撃を経てシーア派の「イスラームフォビア」意識が深まるなかで,対イスラエル戦の主体となったヒズブッラーがシーア派全体のなかでも突出した人気を博しつつある事実であった。このほか,本研究では4年の研究期間内で「イスラームフォビア」意識の浸透度を定点観測し,浸透度が変化する原因をも明らかにしたいと考えているため,初年度重点調査の結果,ヨーロッパのなかで相対的にイスラームフォビア意識が強いことが判明した英仏在住ムスリムに対する現地調査も継続した。加えて,来年度の重点調査対象となるマレーシアでも予備調査を実施している。これら諸国にあっても,「イスラームフォビア」意識が弱まる兆しはまったく見られない。

  • 研究成果

    (20件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (5件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] 米国内から中東外交批判2008

    • 著者名/発表者名
      大塚 和夫
    • 雑誌名

      信濃毎日新聞 1月14日

  • [雑誌論文] Can Japan Embrace a Muslim Public? -A Study on Responses to Newcomer Muslims2008

    • 著者名/発表者名
      Tomoko YAMAGISHI
    • 雑誌名

      Kazuo Ohtsuka & Dale Eickelman(eds.), Crossing Boundaries, Gender, the Public, and the Private in Contemporary Muslims Societies

      ページ: 91-118

  • [雑誌論文] 「対テロ戦争」の行方-テロはなぜ起きるか2007

    • 著者名/発表者名
      飯塚 正人
    • 雑誌名

      世界平和研究 33-3(174)

      ページ: 2-9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] イラク・レバノン 複雑な対立2007

    • 著者名/発表者名
      大塚 和夫
    • 雑誌名

      信濃毎日新聞 6月4日

  • [雑誌論文] 国産テロリストの脅威2007

    • 著者名/発表者名
      大塚 和夫
    • 雑誌名

      信濃毎日新聞 10月1日

  • [雑誌論文] イラク政治におけるジェンダ-国家、革命、イスラーム2007

    • 著者名/発表者名
      酒井 啓子
    • 雑誌名

      国際政治 149

      ページ: 30-45

    • 査読あり
  • [雑誌論文] イラクにおけるトルコマン民族-民族性に基づく政党化か,政党の脱民族化か2007

    • 著者名/発表者名
      酒井 啓子
    • 雑誌名

      アジア経済 48-5

      ページ: 21-48

    • 査読あり
  • [雑誌論文] ‘Stories of our boys', but for whom? The Japanese media's coverage of the SDF in Iraq2007

    • 著者名/発表者名
      Keiko SAKAI
    • 雑誌名

      International Journal of Contemporary Iraqi Studies 1-3

      ページ: 349-366

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 民主主義とエスノクラシーの間-イスラエル/パレスチナにおける紛争と平和の政治地理学2007

    • 著者名/発表者名
      オレン・イフタヘル(著)黒木英充(訳)
    • 雑誌名

      城山英明他(編)『紛争現揚からの平和構築』東信堂

      ページ: 73-91

  • [雑誌論文] Peran Perjuangan HTM embangun Peradaban Islam ke Depan2007

    • 著者名/発表者名
      Ko NAKATA
    • 雑誌名

      al-Wa'ie 85

      ページ: 41-45

    • 査読あり
  • [雑誌論文] イランのイスラム革命-ホメイニー2007

    • 著者名/発表者名
      山岸 智子
    • 雑誌名

      歴史教育者協議会編 中東II(シリーズ知っておきたい)

      ページ: 94-97

  • [雑誌論文] 普遍的な人権を信じて-エバーディー2007

    • 著者名/発表者名
      山岸 智子
    • 雑誌名

      歴史教育者協議会編 中東II(シリーズ知っておきたい)

      ページ: 122-125

  • [学会発表] アラブにとってイスラームとは何か2007

    • 著者名/発表者名
      飯塚 正人
    • 学会等名
      国立大学附置研究所・センター長会議第3部会シンポジウム『さまざまなイスラーム」
    • 発表場所
      東京外国語大学本部管理棟2階大会議室
    • 年月日
      2007-11-01
  • [学会発表] サラフィー思想とナショナリズム2007

    • 著者名/発表者名
      飯塚 正人
    • 学会等名
      NHUプログラム「イスラーム地域研究」上智拠点グループ1「イスラーム主義と社会運動・民衆運動」研究会
    • 発表場所
      KKR宮ノ下
    • 年月日
      2007-09-22
  • [学会発表] Comparative Research on Maritime Fishing Communities in Sabah, Malaysia2007

    • 著者名/発表者名
      TOKORO IKUYA
    • 学会等名
      A Workshop organized by Economic Planning Unit, Sabah State Government
    • 発表場所
      マレーシア連邦サバ州コタキナバルEconomic Planning Unit
    • 年月日
      2007-08-02
  • [学会発表] 生活文化のなかの安全保障2007

    • 著者名/発表者名
      床呂 郁哉
    • 学会等名
      「地域研究による人間の安全保障学の構築」プロジェクト
    • 発表場所
      府中市生涯学習センター
    • 年月日
      2007-07-30
  • [学会発表] 歴史学から見た西アジア社会のネットワークと部族社会2007

    • 著者名/発表者名
      黒木 英充
    • 学会等名
      特定領域研究「セム系部族社会の形成」研究集会
    • 発表場所
      サンシャインシティ文化会館(東京都豊島区)
    • 年月日
      2007-04-21
  • [図書] 現代イスラーム思想の源流2008

    • 著者名/発表者名
      飯塚 正人
    • 総ページ数
      90
    • 出版者
      山川出版社
  • [図書] 鮮麗なるアフガニスタン1841-42-イギリス軍中尉ラットレーの石版画より2007

    • 著者名/発表者名
      近藤 信彰(監訳)
    • 総ページ数
      191
    • 出版者
      東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所
  • [図書] イスラーム私法・公法概説 財産法編2007

    • 著者名/発表者名
      中田 考
    • 総ページ数
      183
    • 出版者
      日本サウディアラビア協会

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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