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2008 年度 実績報告書

9・11後のイスラーム世界におけるイスラームフォビア意識の浸透に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18251004
研究機関東京外国語大学

研究代表者

飯塚 正人  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (90242073)

研究分担者 大塚 和夫  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (70142015)
酒井 啓子  東京外国語大学, 大学院・地域文化研究科, 教授 (40401442)
黒木 英充  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (20195580)
中田 考  同志社大学, 神学部, 教授 (40274146)
床呂 郁哉  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (90272476)
キーワード国際研究者交流 / 多国籍 / イスラームフォビア / アルカーイダ / ジハード / テロ / レジスタンス / 自衛
研究概要

本研究は,多くのムスリムの同胞意識を高める一方で,彼らの一部を自発的な武装闘争(テロ)にも駆り立ててきた/いる,ほとんど唯一の要因である「イスラームフォビア(ムスリムへの迫害・攻撃)」意識の広範な浸透の実態とその要因について,また「イスラームフォビア」として認識される具体的な事例は何か,を地域毎の現地調査を通じて明らかにすることを目的としている。この目的を達するため,本年度はオーストラリアを含む東南アジアを重点調査対象とし,インドネシア,マレーシア,フィリピン,タイ,シンガポール,オーストラリアの六か国でムスリム諸団体や個人へのインタビューと出版物の収集・分析を行った。その結果明らかになったのは,国や地方によって差はあるものの,東南アジアに住むムスリムの多くがアルカーイダ思想(ムスリムは攻撃されており,自衛のためにジハード=テロが必要であると説く)に通じる一定のイスラームフォビア意識,あるいはイスラエルや米国の軍事行動に対する強い反感を抱いており,それゆえ他の地域と同様,アルカーイダを含むジハード団体をテロリストというよりはレジスタンスと見ていること,また2008年末から1か月続いたイスラエル軍によるガザ攻撃が,地域を超えて人々の間に強いイスラームフォビア意識と怒りを産み出した事実であった。このほか,本研究では4年の研究期間内で「イスラームフォビア」意識の浸透度を定点観測し,浸透度が変化する原因をも明らかにしたいと考えているため,過去2年間に重点調査を行った欧米および中東における現地調査も継続した。なかでも,イスラエルと軍事同盟関係にありながら,同国のガザ攻撃後,突如大規模な反イスラエル・デモが起きたトルコではいわゆる「世俗派」の人々へのインタビューも含め,現地緊急調査を実施している。これら諸国にあっても,「イスラームフォビア」意識が弱まる傾向はなかなか見られない。

  • 研究成果

    (19件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (12件) 学会発表 (5件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] The Compass 中東の「民意」と国際社会との対話2009

    • 著者名/発表者名
      酒井啓子
    • 雑誌名

      週刊東洋経済 6192

      ページ: 118-119

  • [雑誌論文] The compass見たくないものは消すという恐るべき発想2009

    • 著者名/発表者名
      酒井啓子
    • 雑誌名

      週刊東洋経済 6184

      ページ: 110-111

  • [雑誌論文] 対テロ戦争と平和2008

    • 著者名/発表者名
      飯塚正人
    • 雑誌名

      中学校社会科のしおり 11

      ページ: 33-34

  • [雑誌論文] SPECIAL REPORT ニュースを読み解く世界宗教入門(イスラム教)2008

    • 著者名/発表者名
      飯塚正人(監修)
    • 雑誌名

      ニューズウィーク日本版 23-25 (通巻1109)

      ページ: 42-63

  • [雑誌論文] 宗教・政治運動と民衆・大衆--戦間期におけるムスリム同胞団の事例を中心に2008

    • 著者名/発表者名
      大塚和夫
    • 雑誌名

      メトロポリタン史学 4

      ページ: 59-84

  • [雑誌論文] The compass人道支援であってももはや安全でない2008

    • 著者名/発表者名
      酒井啓子
    • 雑誌名

      週刊東洋経済 6171

      ページ: 140-141

  • [雑誌論文] The compassメディアが作った中東イメージを疑え2008

    • 著者名/発表者名
      酒井啓子
    • 雑誌名

      週刊東洋経済 6156

      ページ: 134-135

  • [雑誌論文] 「対テロ戦争」の克服と平和構築2008

    • 著者名/発表者名
      黒木英充
    • 雑誌名

      「対テロ戦争」の時代の平和構築-過去からの視点、未来への展望(東信堂)

      ページ: 3-26

  • [雑誌論文] Japan and its Relation with Iran : ii. Diplomatic and Commercial Relations with Iran2008

    • 著者名/発表者名
      Nobuaki Kondo
    • 雑誌名

      Encyclopaedia Iranica 14

      ページ: 547-556

  • [雑誌論文] イスラームにおける共存を妨げるもの--カリフ制、「イスラームの家」の再興による共存の実現を目指して2008

    • 著者名/発表者名
      中田考
    • 雑誌名

      ユダヤ教・キリスト教・イスラームは共存できるか(明石書店)

      ページ: 196-219

  • [雑誌論文] シーア派法学における古典ジハード論とその現代的展開--スンナ派法学との比較の視点から2008

    • 著者名/発表者名
      中田考
    • 雑誌名

      山口大学哲学研究 15

      ページ: 1-27

  • [雑誌論文] 『オリエント』の歴史意識2008

    • 著者名/発表者名
      大塚和夫
    • 雑誌名

      岩波講座 哲学 歴史/物語の哲学 11

      ページ: 49-72

  • [学会発表] なぜいまイスラーム復興なのか--<周辺>からの逆襲、あるいは近代性/グローバル化と折り合いをつけるために2008

    • 著者名/発表者名
      飯塚正人
    • 学会等名
      津田塾大学国際関係研究所研究懇話会
    • 発表場所
      津田塾大学
    • 年月日
      2008-10-16
  • [学会発表] 集団形成と暴力 : スールー海域世界の事例から2008

    • 著者名/発表者名
      床呂郁哉
    • 学会等名
      アジア・アフリカ言語文化研究所共同研究プロジェクト「人類社会の進化史的基盤」研究会
    • 発表場所
      東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所
    • 年月日
      2008-10-04
  • [学会発表] 'Stories of Our Boys', but for Whom? The Japanese Media's Coverage of the SDF in Iraq2008

    • 著者名/発表者名
      Sakai Keiko
    • 学会等名
      AFMA(アジア中東学会連合)第7回研究大会
    • 発表場所
      ウランバートル、モンゴル国立大学
    • 年月日
      2008-09-06
  • [学会発表] 「イスラーム主義」「サラフィー主義」の意味するもの--自称なのか分析概念か--2008

    • 著者名/発表者名
      飯塚正人
    • 学会等名
      スーフィー・聖者研究会
    • 発表場所
      上智大学2号館
    • 年月日
      2008-07-30
  • [学会発表] イスラーム復興とマーケット2008

    • 著者名/発表者名
      飯塚正人
    • 学会等名
      東南アジア学会第79回研究大会
    • 発表場所
      大阪大学人間科学研究科
    • 年月日
      2008-06-08
  • [図書] 「対テロ戦争」の時代の平和構築-過去からの視点、未来への展望2008

    • 著者名/発表者名
      黒木英充(編)
    • 総ページ数
      188+11
    • 出版者
      東信堂
  • [図書] イラクは食べる2008

    • 著者名/発表者名
      酒井啓子
    • 出版者
      岩波書店

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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