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2009 年度 実績報告書

9.11後のイスラーム世界におけるイスラームフォビア意識の浸透に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 18251004
研究機関東京外国語大学

研究代表者

飯塚 正人  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (90242073)

研究分担者 酒井 啓子  東京外国語大学, 大学院・総合国際学研究院, 教授 (40401442)
黒木 英充  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (20195580)
床呂 郁哉  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (90272476)
中田 考  同志社大学, 神学部, 教授 (40274146)
山岸 智子  明治大学, 政治経済学部, 准教授 (50272480)
キーワード国際研究者交流 / 多国籍 / イスラームフォビア / アルカーイダ / ジハード / テロ / 中東政策 / ムスリム移民
研究概要

本研究は,多くのムスリムの同胞意識を高める一方で,彼らの一部を自発的な武装闘争(テロ)にも駆り立ててきた/いる,ほとんど唯一の要因である「イスラームフォビア(ムスリムへの迫害・攻撃)」意識の広範な浸透の実態とその要因について,また「イスラームフォビア」として認識される具体的な事例は何か,を地域毎の現地調査を通じて明らかにすることを目的としてきた。この目的を達するため,最終年度は南アジア在住のムスリムおよびこの地域出身のムスリム移民を重点調査対象とし,インド,バングラデシュ,イギリス,フランス,アラブ首長国連邦,オマーン,バハレーンの七か国でムスリム諸団体や個人に対するインタビューと出版物の収集・分析を行った。その結果明らかになったのは,同じ南アジア系でもインド・バングラデシュ系はパキスタン・アフガニスタン系に比べれば,アルカーイダ思想(ムスリムは攻撃されており,自衛のためにジハード=テロが必要であると説く)につながるイスラームフォビア意識,あるいはイスラエルや米国の軍事行動に対する反感が著しく弱いという事実であった。バングラデシュ系もインド系も自国内の治安により大きな関心を抱いており,そのぶんムスリムを取り囲むグローバルな環境には目が向いていないことが原因と思われる。なお,2009年に至って米国本土在住のムスリムによる反米「ジハード」の試みがいくつか顕在化したことから,日本国内では急遽,米国における変化についてインターネット等を駆使して調査を行い,米国政府の中東政策を批判する「言論の自由」を持ち得ないムスリムのストレスがアルカーイダ思想に接近する契機となっていることを明らかにした。こうした研究成果は,全国紙の特集論説における問題提起や在京テレビ局の関連番組3本を監修(または出演)することで社会還元している。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] イスラームの今日的使命-カリフ制再興による大地の解放2010

    • 著者名/発表者名
      中田考
    • 雑誌名

      山口大学哲学研究 17

      ページ: 65-94

    • 査読あり
  • [雑誌論文]2010

    • 著者名/発表者名
      山岸智子
    • 雑誌名

      『非業の死の記憶-大量の死者をめぐる表象のポリティクス』(池澤優・アンヌブッシィ編)(東京大学大学院人文社会系研究科)

      ページ: 119-142

  • [雑誌論文] 「新たな始まり」は歓迎/高邁な言葉実現する策を2009

    • 著者名/発表者名
      飯塚正人
    • 雑誌名

      朝日新聞 9月25日

      ページ: 15-15

  • [雑誌論文] イスラーム共和国をめぐるイメージ構築-他者化と理解のはざまで2009

    • 著者名/発表者名
      山岸智子
    • 雑誌名

      アジ研ワールド・トレンド 169

      ページ: 19-21

    • 査読あり
  • [雑誌論文]2009

    • 著者名/発表者名
      床呂郁哉
    • 雑誌名

      『東アジアの民衆文化と祝祭空間』(鈴木正崇(編))(慶応義塾大学東アジア研究所)

      ページ: 377-409

  • [雑誌論文]2009

    • 著者名/発表者名
      床呂郁哉
    • 雑誌名

      『集団-人類社会の進化』(河合香吏(編))(京都大学学術出版会)

      ページ: 123-147

  • [雑誌論文]2009

    • 著者名/発表者名
      山岸智子
    • 雑誌名

      『暴力と戦争』(ジェンダー史叢書第5巻)(加藤千香子・細谷実編)(明石書店)

      ページ: 154-175

  • [学会発表] ミンダナオの忘れられた戦争:フィリピン南部のムスリム分離主義運動をめぐって2010

    • 著者名/発表者名
      床呂郁哉
    • 学会等名
      大阪大学「民族紛争の背景に関する地政学的研究」プロジェクト研究会
    • 発表場所
      千里ライフサイエンスセンター
    • 年月日
      2010-02-20
  • [学会発表] In Quest of 'True' Islam : How Modern Arab Thinkers Re-define Islamic Identity in Relation to Western' Civilization2009

    • 著者名/発表者名
      IIZUKA Masato
    • 学会等名
      International Symposium "The Otherness and Beyond : Dynamism between Group Formation and Identity in Modern Muslim Societies"
    • 発表場所
      Tokyo University of Foreign Studies
    • 年月日
      2009-12-06
  • [学会発表] 複数のグローバリゼーションに関する人類学的考察2009

    • 著者名/発表者名
      床呂郁哉
    • 学会等名
      日本文化人類学会第43回研究大会
    • 発表場所
      大阪国際交流センター
    • 年月日
      2009-05-31
  • [学会発表] 「テロリスト」と「付帯的犠牲」2009

    • 著者名/発表者名
      黒木英充
    • 学会等名
      日本中東学会第25回年次大会シンポジウム「暴力と平和を考える-ヒロシマの視点から」
    • 発表場所
      広島国際会議場
    • 年月日
      2009-05-16
  • [図書] Islam in Southeast Asia-Transnational Networks and Local Contexts2010

    • 著者名/発表者名
      TOKORO Ikuya(editer)
    • 総ページ数
      210
    • 出版者
      Research Institute for Languages and Cultures of Asia and Africa, Tokyo University of Foreign Studies
  • [図書] The Mission of Islam in the Contemporary World2009

    • 著者名/発表者名
      NAKATA Ko
    • 総ページ数
      71
    • 出版者
      Saba Islamic Media(Kuala Lumpur)

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2014-05-20  

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