本研究は、2001年9月11日の米国同時多発テロ事件以降、米国主導で進んできた「テロとの戦い」が、開戦から数年を経ていよいよ"文明の衝突"と呼ぶにふさわしい深刻極まりない様相を呈しつつある状況に鑑み、多くのムスリム(イスラーム教徒)の同胞意識を高める一方で、彼らの一部を自発的な武装闘争(「テロ」)にも駆り立ててきたいる、ほとんど唯一の要因である「イスラームフォビア(ISLAMOPHOBIAまたはISLAMAPHOBIA : ムスリムへの迫害・攻撃)」意識の広範な浸透の実態とその要因について、また「イスラームフォビア」として認識される具体的な事例は何か、を地域毎の現地調査を通じて明らかにすることを目的としている。
|