研究課題/領域番号 |
18251007
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
久保 智之 九州大学, 大学院・人文科学研究院, 教授 (30214993)
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研究分担者 |
早田 輝洋 大東文化大学, 外国語学部, 非常勤講師 (80091239)
庄垣内 正弘 京都産業大学, 文化学部, 客員教授 (60025088)
林 徹 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (20173015)
藤代 節 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (30249940)
栗林 裕 岡山大学, 社会文化科学研究科, 准教授 (30243447)
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キーワード | 借用語の音韻論 / 借用語の音節構造 / 言語接触 / 二言語使用者 / 叙事詩の外来語彙 / 中期チュルク語 / 指示詞 |
研究概要 |
チュルク諸語を主な対象として、個別言語における借用現象について、各自がフィールドワーク等を行なうと共に、2回の全体研究会を持ち、借用現象に焦点を当てた討議を行なった。以下は、各自の研究実績である: 1久保は、中国新彊ウイグル自治区で話されているシベ語、及び現代ウイグル語を対象に、漢語からの借用語が音韻論的にどう取り込まれているかを、対照言語学的に研究した。 2.早田は、清朝初期の満洲語資料である満洲語訳の『三国志演義』を資料にして、清朝初期の満洲語の文法・音韻を研究した。特に、全50万語ほどの全資料を満漢に分けて、固有満洲語と外来の漢語の音節構造の違いを研究した。 3.庄垣内は、古代ウイグル語文献にみられる借用語を通して、中世中央アジアの言語接触について研究した。 4.林は、トルコ系移民の人々が多く住むベルリン・クロイツベルク地区において、トルコ語とドイツ語の二言語使用者が両言語の語彙をどのように保持しているかを明らかにすべく、主にイディオムの調査を行なった。 5.藤代は、ヤクート語の外来語彙について研究した。またドイツ国で行われた第30回ドイツ東洋学者会議に参加し、ヤクート語英雄叙事詩の外来語彙の取り込みについて発表した。 6.栗林は、現代ウイグル語の語彙についての音声資料の収集を行なった。また、カシュカイ語の統語法および形態法について音声資料より抽出作業を行ない、データの整理を行なった。 7.藤家は、キプチャク系の言語の一つであるカザフ語を対象に、日本語の「〜している」に相当する動詞の進行相を表わす4形式の意味・用法を、機能主義的アプローチから記述すべく、カザフスタンにおいて現地調査を行なった。 8.菅原は、主として中期チュルク語の音韻に関する研究に取り組んだ。また前年度に発表した中期チュルク語文献の日本語訳および註をまとめ出版物として刊行した。 9.西岡は、アメリカ・シアトルのワシントン大学で開催されたCentral Eurasian Study Societyの年次大会において、ウイグル語の指示詞について研究報告を行った。また、アゼルバイジャン語の固有の指示詞と、ペルシャ語からの借用とされる指示詞の用法について、聞き取り調査を行なった。
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