研究課題/領域番号 |
18251008
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
佐藤 智水 龍谷大学, 文学部, 教授 (40116463)
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研究分担者 |
都築 晶子 龍谷大学, 文学部, 教授 (00115601)
長谷川 岳史 龍谷大学, 文学部, 助教授 (00309105)
宮崎 洋一 広島文教女子大学, 人間科学部, 助教授 (50258290)
佐川 英治 岡山大学, 文学部, 助教授 (00343286)
石松 日奈子 清泉女子大学, 文学部, 講師 (80424307)
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キーワード | 南北朝時代 / 随 / 造像銘 / 仏教 / 道教 / 石刻 / 博物館 |
研究概要 |
今年度は、国内の博物館・美術館所蔵の造像銘調査を進めながら、夏期に3回の海外現地調査を行なった。 (1)中国、山西省中南部(8月4日〜17日)参加者は、研究代表者(佐藤)・分担者(宮崎)のほか、大学院生等を協力者とする計十名。コースは、太原市〜盂県〜平定県〜黎城県〜沁県〜晋城市〜陽城県〜沁水県〜運城市〜〓城県〜平陸県〜臨猗県〜霊石県〜太原市というルート。 (2)中国、陜西省西部〜甘粛省東部隴東地区(8月18日〜30日)参加者は、研究代表者(佐藤)及び分担者(佐川)のほか、協力者の講師・大学院生等、及び蘭州大学の杜斗城教授、西安碑林研究所の李雪芳研究員の計十名。コースは、西安市〜永寿県〜彬県〜長武県(以上、陜西省)〜〓川県〜寧県〜合水県〜正寧県〜慶陽市〜平涼市〜庄浪県〜秦安県〜天水市(以上、甘粛省)〜宝鶏市〜西安市〜〓陽県〜藍田県〜西安市(以上、陜西省)。 (3)中国、山西省中部(9月10日〜17日)参加者は、研究分担者(石松)と協力者の計二名。調査地点は太原市及び楡社県。 以上、3回の調査では、各地の博物館・文物保管所・寺院所蔵の仏教文物や、小石窟・摩崖に刻まれた造像碑文の計測、写真撮影、スケッチ、銘文移録を行なった。中でも、盂県の千仏山石窟、平定県の開河寺石窟、晋城市澤州県碧落寺石窟では、従来知られていた銘文の大幅な修正を行なうことができた。また、沁水県柳木岩摩崖では、風化の危機にさらされている未調査の北魏碑文を見いだした。黎城県・沁県・陽城県・霊石県の博物館でも、未報告の造像銘に遭遇した。また、甘粛省東部隴東地区博物館所蔵の造像はおおむね小ぶりの像が多いが、他の地域とは異なった雰囲気を有しており、河西〜蘭州〜西安ルートとは異質の仏教造像の伝統を感じた。寧県博物館では、北魏史料の一級品ともいえる「山公寺碑」なる新出土の碑像(下部欠損)に出会った。 帰国後は、調査収集した移録と写真を整理し、月1回の銘文史料研究会において文字の校訂作業と読解を検討し、移録の清書を進めてきた。次年度以降にその成果を逐次まとめて報告する予定である。 また、代表者(佐藤)は平成19年3月3日に行なわれた龍谷大学RECにおいて、社会人を対象として「黄土高原の石仏を訪ねて」と題し、現地調査の成果の一端を報告した。
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