研究概要 |
(1) 東南アジア大陸部に位置する天水田農業を主体とした不安定な自然環境における平原地帯の自給的な農村における, 多品種の稲や植物,魚介類や昆虫など様々な動植物資源の栽培・採集・販売などの複合的な資源利用の実態とその変化のプロセス, 成立条件を東北タイドンデーン村とラオスのヴィエンチャン平野ドンクワイ村の2つの村落での定着インテンシブ調査から, 文融合をめざした学際的研究組織で明らかにしようとするものである。 最終目標は,東南アジア平原地帯に共通する複合的資源利用の特徴を明らかにし,グローバルな市場経済の影響下におけるこの地域の複合的な資源利用の持続性について,天水田農村という共通した東北タイ,ラオスでの地域社会で比較検討することである。 (2) 調査内容は, 住民の生業活動, 資源利用, 農業生産, 食料・栄養調査, 村落経済における非農業部門の貢献度調査, 立地形成に寄与する自然環境調査, 開田史と塩採取の実態調査, 村落社会のなかの学校での資源利用や子どもの環境観, 環境意識の変化などである。いずれの地域においてもほぼ共通する全戸世帯調査によって基本的な家族構成, 移動歴, 農地所有, 農外就業, 所有物/インフラなどで,それらを視覚的にかつ継時的に分析\するツールとして, GISやGPSを用いる。 さらに異なる生物資源利用の相互関係と, 多様化する就業形態と資源利用との相互補完関係を分析する新たな理論的枠組みを構築することをめざす。
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