研究課題/領域番号 |
18251014
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
竹内 潔 富山大学, 人文学部, 准教授 (40212021)
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研究分担者 |
都留 泰作 富山大学, 人文学部, 准教授 (10345548)
雨宮 洋美 富山大学, 経済学部, 准教授 (90401794)
梶 茂樹 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (10134751)
澤田 昌人 京都精華大学, 人文学部, 教授 (30211949)
池谷 和信 国立民族学博物館, 民族社会部, 教授 (10211723)
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キーワード | アフリカ / 狩猟採集民 / 先住民 / マイノリティ / 周縁化 |
研究概要 |
1.アフリカの狩猟採集民の社会文化的周縁化について、澤田、武内、雨宮、都留が文献研究をおこない、(1)コンゴ共和国の内戦下での狩猟採集民ムブティや一部の農耕民に対する迫害が地域の社会経済の再生を妨げていること、(2)ルワンダ共和国の狩猟採集民トゥワについてマイノリティや先住民といった概念が国際援助との関係で政治化していること、(3)タンザニア共和国の狩猟採集民ハッザの土地利用が農耕民の土地慣習法を制度化した土地法では保障されていないこと、(4)カメルーン共和国の狩猟採集民バカの儀礼実践が現金経済など周囲の社会経済システムに組み込まれつつあること、などが明らかとなった。 2.アフリカ熱帯森林帯の狩猟採集民の社会文化状況と比較するために、梶ガウガンダ共和国の狩猟採集民トゥワ及び周辺農耕民の言語使用状況についての現地調査を実施し、池谷がボツワナ共和国の狩猟採集民サンの政治状況に関する現地調査をおこなった。トゥワについては、近隣の農耕民とほぼ同一の言語を使用しているが、コンゴ共和国の狩猟採集民ムブティと社会経済的関係を持っていた農耕民ビラの語彙が混じっている可能性があることが看取された。サンについては、移住政策に柔軟に対応していくグループと「先住民運動」のかたちで政策に対抗するグループに分化しつつあることが明らかとなった。 3.中央アフリカ共和国の熱帯森林帯に居住する狩猟採集民アカと人権NGOの関係について竹内と研究協力者山口が現地調査をおこなった。中央アフリでは、イタリア系人権NGOがアカの地位向上を謳って活動しているが、アカの生活文化について理解する努力は十全に投じられておらず、また、アカに対して差別的に接する地方行政官や近隣農耕民をエージェントとしているために、NGOの活動は国民国家のなかでアカの自律性を保ったまま定位する契機とはなっていないことが判明した。
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