研究課題
最終年度にあたって、各分担者がこれまでの現地調査の成果を踏まえて、最終的な研究のとりまとめに必要な現地調査を再度実施した。平成21年秋の国際的金融・経済危機以後の実体経済がEUの政策基盤にどのような影響を与えるかに配慮しながら研究をとりまとめた。さらに12月1日にEUの新しい法的基盤となるリスボン条約が発効したことから、各分担者は新条約発効の結果もたらされたEUの対外政策基盤の変容も短期間に精力的に分析した。また、平成20年度途中まで本研究の代表者をつとめ日本国EU代表部大使として転出した植田隆子大使の帰国の機会を捉えて研究会を開催した。現地での情報収集と分析結果をふまえて、研究分担者と分析結果を議論し、成果のとりまとめにあたって最新の情報を十分に取り入れた。さらに分担者それぞれが計画していた現地調査を完了した。研究の成果については、欧州を始めとする国際会議、学会、研究集会でも積極的に発表した。本研究の最終成果は研究の終了へ向けた期間に精力的にとりまとめられ、森井裕一編『地域統合とグローバル秩序』信山社、2010年として出版される(5月出版予定)。本研究においては、EUの対外政策基盤がリスボン条約を契機に変容したこと、その際のEUの組織の役割と構成国の役割の重要性が明らかにされた。そしてEUの対外政策の変容が日本およびアジアとへの関係性の変容にも重要な含意を有することが分析された。本研究の成果はリスボン条約の形成期から発効直後の我が国における最新のEU分析として重要な意義を有しているといえよう。
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「アジア太平洋の重層的な地域制度とAPEC」『アジア太平洋と新しい地域主義の展開』所収(渡邉昭夫編)(千倉書房)
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"Bargaining within Nested Institutional Relationships : APEC, GATT/WTO, and Liberalization,", The Future of the Multilateral Trading System : East Asian Perspectives所収(Akira Kotera et.al.eds.)(CMP Publishing Ltd)
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International Relations of the Asia-Pacific 9
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『社会イノベーション研究』(成城大学社会イノベーション学部紀要) 5
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日本国際政治学会編『国際政治』 157
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ロシア・ユーラシア経済 第920号
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法学研究 82
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『ワールドトレンド』(日本貿易振興機構アジア経済研究所) 170
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「地域主義の経験と課題」『日本の国際政治学3 地域から見た国際政治』所収(日本国際政治学会編)(有斐閣)
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